17年近く共に過ごした、わが家のネコが5月24日に亡くなりました。
17年前の9月の夜、息子が帰る時、当時の愛車ミニクーパーの下に親からはぐれたのか、仔猫がいたと息子が連れてきました。
まだ生後2か月位、余りに小さくて、可哀そうだから動物好きの夫も1日だけ置いてあげようということになりました。
玄関の隅で震えて鳴いていたのを今もはっきりと憶えています。
最初にしらす干しをやったら懸命に食べていましたっけ・・・
1日が1週間になり、1か月になり・・・とは世間によくあることですね。
ミニクーパーの下に居て女の子なので「ミニ」と名付けました。
眼がまん丸で白と黒の毛並みが美しく、近くに住む孫たちにもよく可愛がられて 家族の一員でした。
「ミーちゃん」と呼ぶと「ニャー」と返事をしてくれ、たまに家から脱走することもありましたが、15分もすると玄関前に「開けて!」とばかりに正座して待っていました。
家族が外から帰ってくると、いつも玄関まで迎えにきてくれたものです。
「きっと自分を人間だと思ってるよ」と皆で話していました。
外には出さなかったので、病気もせず、人間との付き合いだけで暮らしてきました。
ところが、コロナの時期に彼女にとって事件が起こりました。
新参ネコがやってきたのです。
それにはこういうストーリーがありました。
ある夜それまでエサを貰いに来ていた地域ネコが仔猫4匹を連れてうちの裏にやってきたのです。
夜の闇の中でしたので、わが目を疑いました。
しばらく見ない間に赤ちゃんを産んでいたのです。
その母親が可愛いネコで「この子たちにエサください」と目で訴えているようでした。
仔猫たちをどうにかしなきゃと、考えあぐねているうちに月日ばかりが経ち、ある方に相談したら保護猫活動をしている団体を紹介されました。
地域ネコを増やさないよう、譲渡に回す前にまずは避妊、去勢手術をするために、捕獲器を母親と仔猫の分を5個借りて、エサを中に入れ、いつも来る場所に置きました。
すると4個の中に入っていた母親と仔猫3匹をその団体が利用している、動物病院へ立川まで連れて行き、手術後また引き取りに出向きました。
その翌日は残りの1匹を連れて行きと・・・1週間がネコweekでした。
母親は外に戻し、一番活発だった仔猫の1匹は逃走しました(今も2匹とも毎日エサをもらいにきていますが)。
残りの3匹はもう生まれて半年位経っていましたので、仔猫というよりもう大人並みの体格になっていましたが、2匹は幸いなことにネコ好きの知人二人が引き取ってくれました。
そして残り1匹が最初の捕獲器に入らず、手術後も家のケージにも入らず潜んでいた今うちにいるネコです。
最初は大いに迷いましたが、娘から「ミーちゃんが死んだら淋しいでしょ」と言われ、決心した訳です。
先住猫と新入り猫の接し方をいろいろ調べてみたのですが、先住猫のミニの方が新入りを受け付けず、2匹は最後まで相容れませんでした。
年の差13歳、自分を人間だと思ってきたミニと半年間はおかあさんときょうだいとで育った新入りのコロ。
コロがボディタッチを試みても、ミニの元気な頃は「シャーッ」と怒っていました。
取っ組み合いをすることはありませんでしたが。
ストレスもあったのでしょう。
昨年の冬頃からミニはだんだん痩せていき、コロにタッチされても怒らず、少しは2匹の間が埋まったように感じたのですが。
亡くなる前夜も私の手からエサを一所懸命に食べ、私は安心していました。
でも、その翌日私たちを煩わせることなく、静かにミニは息を引き取りました。
17年間も私たちに寄り添ってくれ、その夜は娘に息子、孫とでお通夜をしてそれぞれ感謝のメッセージを記しました。
私が疲れた時、ソファに横になると必ずその上にしがみつくように甘えてきました。
そんな時いつも「一緒に長生きしようね」と胸の中で話しかけたものです。
その温もりをもう一度感じたい、もう一度だけでいいからミニに会いたいです。