安来駅からまた、山陰本線で松江駅に着いたのは3時過ぎだったでしょうか。
駅前の観光案内所で、松江城の堀川を巡る船の時間に間に合うと聞き、松江城へ向かいました。
松江城の天守は全国に現存する12の天守のうちの一つで、国宝に指定されています。
美しい石垣、お堀の外側には県庁や県民会館、歴史館などがあり、広々とした空間が心地いい場所です。
大手前広場乗船場から定員10名位の遊覧船に乗り込んだら、時節柄こたつ船になっていました。
ベテランの船頭さんのガイドで、50分かけて堀川と市街区を巡るのです。
この日の朝は雨まじりのお天気でしたが、昼になると晴れてこたつ不要の温かさ。
晩秋のやさしい光とそよ風に、旅の疲れも吹き飛ぶようでした。
小泉八雲記念館や旧居がある塩見縄手を過ぎてゆくと、カモやシラサギが悠然とあちこちに姿を見せていました。
自然のままの森のような中を船が静かに進んでいくときは、奄美大島のマングローブの森をカヌーで漕いだ時を想い出しました。
船頭さんによると、老木となっている樹木も多いそうで、支柱で支えられているものが目につきました。
静かな森を通り過ぎると街中に入ります。
船頭さんの名調子を聴いたり、小さな橋を通る時は船の屋根が下がるので、乗客が一斉に頭をコタツの上に伏せなければなりません。
こういう橋が4カ所あり、面白かったですよ。
上の写真、京橋川の左方に見えたのは「カラコロ工房」。
以前は日本銀行松江支店の建物だったそうで、今は工房や和菓子作り体験教室、レストランが入る施設になっています。
ここに行くのを旅行前から楽しみにしていたのですが、現在は来秋のリニューアルオープンに向けて工事中のため閉店中とのことで、ガッカリしました。
「カラコロ」とは明治時代、松江に居住していた小泉八雲が当時木橋だった松江橋を人々が下駄を履いて渡る際に響く音に、深く心ひかれ、そのことを語った文章から名付けられたとか。
さすが松江、ネーミングも文学的かつ可愛いですね。
その後、船は夏には紫陽花や花しょうぶが咲く米子川を通り、その先には松江城が見えました。
そして、出発した乗船場に戻りました。
築城400年の歴史と豊かな自然、おしゃれなカフェがある街、今の松江を体感できました。
この後、松江城まで周りの景色を楽しみつつ上がりましたが、登閣受付が終了した直後で残念!
お城の写真だけ撮りました。
黒色の下見板張りと白い外壁が簡素で美しく、しばし見入ってしまいました。
この日は足立美術館で食べた出雲ぜんざいに白玉団子がたくさん入っていましたので、ランチを取りそこなっていました。
おなかはグーグー、足も痛くなってきたので、早い夕食をとろうと京店商店街を歩きましたが、まだ平日5時過ぎのせいか閑散としていて、閉まっている飲食店も多く、繁華街と聞いていたのに驚きました。
ようやく見つけた和食の店で夕食にありつけ、ホッとしました。
お刺身、鶏の天ぷら、出雲おでん、この店の名物だというカツライス。
この他にも前日の居酒屋で美味しかった岩海苔のおにぎりも頼んだのですが、あの幻の十六島海苔ではありませんでした。
それなりに美味しくはありましたが、お刺身も鶏天もおにぎりも前日の出雲の店がずっと美味でした。
バスで松江駅に戻り、45分かけて山陰本線で出雲市駅に帰りつきました。
2万歩近く歩いて、ホテルに着くとバタンキューの1日でありました。
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