hiyamizu's blog

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安田知代『井の頭公園 まるごとガイドブック改訂版』を読む(二回目)

2022年08月29日 | 散歩

 

安田知代著『井の頭公園 まるごとガイドブック改訂版』(2008年5月30日ぶんしん出版発行)を読んだ。

このブログを全部書き上げてから、我がブログで検索してみたら、2012年12月13日にこの本の紹介を既にしていた。どうりで「安田知代」という名に聞いたような気がしたのだが、と負け惜しみ。

悔しいから、そのままアップしてしまう。

 

大正6(1917)年に開園した井の頭公園は2017年に百周年を迎えた。吉祥寺駅、繁華街から10分足らずで行けるこの公園は、池、川、緑、桜の名所で、都市空間の中で自然豊かな緑の孤島になっている。

 

この本は過去、現在の公園を写真とともに紹介し、130頁ほどだが要領良いガイドブックであるとともに、隠れて気づかないいくつかのポイントを紹介し、井の頭公園を楽しめる本になっている。

 

公園全体は、井の頭池を中心とするにぎやかな地域と、井の頭公園駅の東側の子どもたちが遊ぶ「三角広場」と、自然豊かで「三鷹の森ジブリ美術館」やグランドなどがある「西園」と、「井の頭文化園」がある地域がある。

 

井の頭池は、井(水の出る所)がいくつもあることから「七井の池」と呼ばれていた。

池の中央にある橋は北側が「七井橋」で、ボート乗り場や「井の頭文化園・水生公園」のある「中之島」から南が「狛江橋」だ。

池は3つに分かれ、東の一番大きな池が「ボート池」、七井橋で分断され北西にあるのが「お茶の水池」、南西にあり「狛江橋」で分かれているのが「弁天池」だ。

 

戦争前、井の頭池の周りは桜の木でなく、杉の林だった。昭和19年、空襲で亡くなった多くの人のお棺を作るために約4ヘクタールの杉林が伐採された。

 

かって豊かな水量を誇った井の頭池も周辺がアスファルト化して湧水の水量が減り、水質が悪化した。ところが平成16(2004)年の秋の台風の大雨で水が急増し、池の水が澄み渡り、自転車30台など投棄物が発見された。地下水脈が枯れてないことが分かり、百周年の2017年までに「かいぼり」など澄んだ池の復活が始まった。

 

その他、この本には、「井の頭自然文化園」や「三鷹の森ジブリ美術館」、「神田川、三角広場」、「御殿山・西園」についても詳しく紹介されている。井の頭公園が登場する文学、DVDなども紹介されている。

 

私の評価としては、★★★★☆(四つ星:お勧め、 最大は五つ星)

 

井の頭公園を散歩コースにする人、桜の季節だけ訪れる人、めったに訪れなくなってしまったが思い出のある人、一度あの人を誘ってみたいと願っている人など、多くの人に読んで、「へぇ~、そうなんだ」、「ああ、なるほどね」とより深く井の頭公園を好きになって欲しい。

 

ガイド本としては極めて要領よく、簡潔に説明されている。挿入されている写真、イラストも控えめだがポイントのところが示されている。かなり優秀な編集者だと思う。

 

安田知代(やすだ ともよ)
1964年生まれ。月刊誌、絵本などの企画・編集・執筆。
地域の本として『みたか再発見の旅』、『懐かしの吉祥寺 昭和29・40年』を編集・執筆。生態系と人間の営みが調和する社会をめざす「合同会社++」共同代表。

 

メモ

水生物園の池の周りに高々と空に伸びているのは、湿地に強く成長の早いラクウショウの並木で昭和11(1936)年の植樹。

 

井の頭池には希少種も含む10数種のつがいの渡りのカモが見られる。渡り鳥がやってくる時期以外に見かけるのは定住しているカルガモとオシドリ(本来漂鳥だが、自然文化園が放鳥した)。

カモ以外にも、ゴイサギ、カイツブリ、カワセミ、バン、コサギ、ユリカモメなどがいる。

 

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