柚月裕子著『月下のサクラ』(2021年5月31日徳間書店発行)を読んだ。
徳間書店の内容紹介は以下。
私は前に、前に進む――。
組織に巣くう不条理な倫理。
刑事・森口泉が闇に挑む。
事件現場で収集した情報を解析・プロファイリングをし、解決へと導く機動分析係。
森口泉は機動分析係を志望していたものの、実技試験に失敗。しかし、係長・黒瀬の強い推薦により、無事配属されることになった。鍛えて取得した優れた記憶力を買われたものだったが、特別扱い「スペカン」だとメンバーからは揶揄されてしまう。
自分の能力を最大限に発揮し、事件を解決に導く――。
泉は早速当て逃げ事件の捜査を始める。そんな折、会計課の金庫から約一億円が盗まれていることが発覚した。メンバー総出で捜査を開始するが、犯行は内部の者である線が濃厚で、やがて殺人事件へと発展してしまう……。
『朽ちないサクラ』の続編。
〇米崎県警
大須賀定充:本部長、一人息子は高三の光大(みつひろ)、志鎌:副本部長、橋元:総務部部長
〇捜査支援分析センター(庶務担当の捜査第一支援係と、情報解析しプロファイリングする機動分析係がある)
宮東(くとう)譲:センター長
黒瀬仁人(ひろと):機動分析係長。(仁、じん)。別れた妻と息子は流美と康太。
市場哲也:メンバー歴8年。数えで50歳。(哲、てつ)
森口泉:主人公。機動分析係。広報広聴課事務職から努力して33歳で刑事、34歳で現職になる。同級生の津村千佳が殺害された(『朽ちないサクラ』)。母・道枝と二人暮らし。
日下部真一:メンバー歴6年。(真、しん)
春日敏成:メンバー歴4年。(春、はる)
里見大(まさる):メンバー歴2年。28歳。(大、だい)
阿久津一:捜査一課長
田部和也:捜査一課課長補佐
葛西順二:捜査二課の課長。キャリア
園辺誠:捜査二課知能犯係の係長。泉の上司だった。
富樫隆幸:泉の広報課時代の上司
荒井美佐子:泉の広報課時代からの友人。41歳。
笹塚靖志:会計課の課長、金庫担当は香取京子と愛川亜美、前課長の保科賢吾は退職
林:生活安全部少年課課長
本書は週刊「アサヒ芸能」2019年1月3日号~10月31日号掲載作品を加筆訂正したもの。
私の評価としては、★★★★☆(四つ星:お勧め、 最大は五つ星)
警察内部で起こる犯罪ということで、警察の内部事情に興味が湧いた。(サクラは公安警察の隠語。)。また、各種監視カメラ映像の解析やNシステムでの車の捜査など機動分析係の仕事が新鮮。結局、380ページの本を一気読みしてしまった。
負けず嫌いの泉がやられっぱなしでなく強気で反論する姿も心地よい。
犯人が誰かという謎は、微妙。 最後の取っ組み合いも相手が弱すぎて??
お勉強
臙脂(えんじ):色
知命:数え年50歳