hiyamizu's blog

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東野圭吾『11文字の殺人』を読む

2021年01月05日 | 読書2

 

東野圭吾著『11文字の殺人  新装版』(光文社文庫ひ6-19、1990年12月20日初版発行)

 

裏表紙にはこうある。

交際を始めて二カ月が経ったある日、彼が海で亡くなった。彼は生前、「誰かが命を狙っている」と漏らしていた。女流推理作家のあたしは、彼の自宅から大切な資料が盗まれたと気付き、彼が参加したクルーズ旅行のメンバーを調べる。しかし次々と人が殺されてしまう事態に! 『無人島より殺意をこめて』――真犯人から届いたメッセージの意味とは? 昭和だから起きた怪事件!

 

1,3,5,7章の前に、犯人の独白風の4つのモノローグおかれている。

“あたし”の恋人・川津の葬式の2日後彼の妹から連絡があり、フリーライターである川津の取材資料を譲り受けるために彼の自宅を訪れる。そこには、取材資料を見せて欲しいと、川津と一緒に仕事をしたことがある女性カメラマンの新里美由紀が居た。資料は既にあたしの自宅へ郵送済だったが、留守している間に資料は空けられていて、資料は盗まれてしまった。そして、新里も殺害された。


あたしは友人の冬子は、川津と新里が共に参加したクルージング・ツアーの参加者を調べ始める。参加者の一人・竹本が亡くなったツアー中の転覆事故の詳細を聞きだそうとする中、同じ参加者の役者の坂上豊が殺害される。

クルージング・ツアーの主催者の山森は、今年のクルージング・ツアーに参加することを二人に提案し、危険をッ感じながらあたしは友人の冬子とツアーに参加する。そして、ツアー中にも……。

 

1987年2月カッパ・ノベルス、1990年12月光文社文庫


私の評価としては、★★★★☆(四つ星:お勧め)(最大は五つ星)

ツアー参加者を一人一人探し出していく過程もなかなか読ませるのは東野さんの腕によるのだろう。

主な登場人物は“あたし”、冬子と、ほぼツアー参加者11人だけで、事件の場所もに限られ、テーマは謎解きに集中される。

結果は予想外だが、動機には納得しがたい点がある。犯人を知ってからモノローグを読み返しても、やはりあまりにも激しい怒りには納得できない。だって、おぼれた人を助けに行って、結局二人とも亡くなるケースは多いじゃない。

 

東野圭吾の略歴&既読本リスト

 

(参加)はクルージング・ツアーの参加者。

あたし:女性の推理小説家。前夫は新聞記者。

川津雅之:(参加)あたしの恋人。フリーライター。34歳。出会いから2か月で殺された。妹は幸代。

荻尾冬子:あたしの友人で出版社の担当編集者。あたしと共に犯人を捜す。

田村:川津の担当編集者。

新里美由紀:(参加)カメラマン。川津と紀行文を作成。20代半ば。

山森卓也:(参加)ヤマモリ・スポーツプラザ。グループの長は秀孝。

山森正枝:(参加)卓也の妻。

山森由美:(参加)卓也の娘。目が不自由。

石倉:(参加)ヤマモリ・スポーツプラザのチーフ・インストラクター。卓也の弟。

村山則子:(参加)卓也の秘書。母は山森正枝の姉。

金井三郎:(参加)ヤマモリ・スポーツプラザの器具の保守担当。春村志津子の恋人。

古沢靖子:(参加)24歳。OL.

竹本幸裕(ゆきひろ):(参加)昨年の海難事故で死亡。相馬幸彦の名でルポライター。32歳。弟は正彦。

坂上豊:(参加)役者。

春村志津子:ヤマモリ・スポーツプラザの事務員。

田宮:警視庁捜査一課の刑事。

 

 

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