hiyamizu's blog

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柚月裕子『ウツボカズラの甘い息』を読む

2016年07月14日 | 読書2

 

 

柚月裕子著『ウツボカズラの甘い息』(2015年5月25日幻冬舎発行)を読んだ。

 

宣伝文句は以下。

家事と育児に追われ、かつての美貌を失った高村文絵。彼女はある日、趣味の懸賞でデイナーショーのチケットを手にした。参加した会場で、サングラスをかけた見覚えのない美女に声をかけられる。女は『加奈子』と名乗り、文絵と同じ中学で同級生だというのだ。そして、文絵に恩返しがしたいとある話を持ちかけるが――。一方、鎌倉に建つ豪邸で、殺人事件が発生。被害者男性は、頭部を強打され凄惨な姿で発見された。神奈川県警捜査一課の刑事・秦圭介は鎌倉署の美人刑事・中川菜月と捜査にあたっていた。聞き込みで、サングラスをかけた女が現場を頻繁に出入りしていたという情報が入る……。

 

 

私の評価としては、★★(二つ星:読めば)(最大は五つ星)

 

かなり厳しい評価になってしまった。

 

高村文絵(旧姓牟田)がマルチ商法の代表に祭り上げられる経過があまりにも安易。読んでいて耐えきれない。

次々と名前を変える犯人のやり口が不自然で、著者のご都合主義。ミステリーとしての出来が悪い。

そもそも、題名に“ウツボカズラ”をもってくるとは、安易で、ひねりがない(八つ当たりぎみだが)

 

警察側の人物、捜査方法は良く書き込まれている(『孤狼の血』ほどではないが)。しかし、井本、久保、寺崎、杉本、浅田などとあまりにも多くの刑事がぞろぞろ登場し、秦以外は通り一遍の記述しかない。せめて、秦とコンビを組む美人巡査中川菜月についてもっと掘り下げて欲しかった。

 

 

柚月裕子(ゆづき・ゆうこ)

1968年、岩手県生まれ。山形県在住。

2007年、『待ち人』で山新文学賞入選・天賞受賞

2008年、『臨床真理』で「このミステリーがすごい!」大賞を受賞してデビュー。

2013年、『検事の本懐』で大藪春彦賞を受賞。

2016年『孤狼の血』で直木賞候補、日本推理作家協会賞(長編及び連作短編集部門)受賞

他の著書に『最後の証人』『検事の死命』『蟻の菜園―アントガーデン―』『パレートの誤算』『朽ちないサクラ』『ウツボカズラの甘い息』(本書)がある

 

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