桐島洋子著『人生はまだ旅の途中 いくつになってもお転婆ガール!』(2013年12月大和書房発行)を読んだ。
76歳になった桐島さん、まだまだ凛として、意気軒昂。骨折や、バンクーバーの自宅が半焼と大変なことが起こったのに平然と、そしてやる気をみせている。
各メディアへ書いたエッセイをまとめているので、内容はさまざま。アンティーク蒐集、美味しい料理、一番多いのが内外の旅の便り、これらの間に、おなじみのシングルマザーの子育て昔話が挟まる。
私の評価としては、★★★(三つ星:お好みで)(最大は五つ星)
シングルマザー時代の破天荒な行動力話が何回も登場するが、自慢ではなく思い出話としてあっさり書かれているので、うんざりはしない。さすがに昔通りではないが、外国へも良く行っているようで、活躍ぶりには勇気をもらう。
各メディアへ書いたエッセイを集めたためだろうが、すべての話をさらりと流していて、物足りない。確固とした信条を持つ桐島さんなのだから、いくつかのテーマについては、もっと突っ込んで書き込んで欲しかった。
私には拒否感のある“スピリチュアル“にも、桐島さんははまっているというより、面白がっているような余裕がある。真剣に対応するが、距離感も忘れないという桐島さんの姿勢には好感がもてる。
ルビがふってあるが、普段使われない漢字が出てくる。意識的にそうしているのだろうが、「そういえば、こんな漢字あったな」と思う。
犇(ひし)めく、怯(ひるまず)、漲(みなぎ)る、儚(はかな)さ、坩堝(るつぼ)、逼塞(ひっそく)、
桐島洋子(きりしま・ようこ)
1937年東京生まれ。作家。
1972年『淋しいアメリカ人』で大宅壮一ノンフィクション賞受賞。
以来著作・テレビ・講演などで活躍しながら、かれん(モデル)、ノエル(エッセイスト)、ローランド(カメラマン)の3児を育て上げる。
50代で子育てを了えてからは、“林住期”を宣言。仕事を絞り、年の数カ月はカナダで人生の成熟の秋を穏やかに愉しむ。
70代からは日本で、マスコミよりミニコミを選び、東京の自宅にオトナの寺子屋「森羅塾」を主催している(桐島洋子の森羅塾へ)。
その他、『マザー・グースと三匹の子豚たち』『ガールイエスタデイ -わたしはこんな少女だった-』(絶版)『わたしが家族について語るなら』『バンクーバーに恋する』『林住期ノート』、『刻(とき)のしずく 続・林住期ノート』と、『林住期を愉しむ 水のように風のように』
『林住期が始まる』『聡明な女たちへ』『 50歳からのこだわらない生き方』