hiyamizu's blog

読書記録をメインに、散歩など退職者の日常生活記録、たまの旅行記など

桐島洋子「林住期が始まる」を読む

2007年08月24日 | 読書
桐島洋子の林住期に関する本を4冊読んだ。まだまだ女性に制約が多かった約50年前に妊娠、出産を会社に隠したままシングルマザーとなり、ヴェトナム戦争のルポに出かけ、三人の子供を育てながらアメリカを放浪し、その体験から『淋しいアメリカ人』で大宅壮一ノンフィクション賞を受賞するという彼女であるから、執筆当時50歳と多少枯れたとはいえ、そのエッセイが面白くないわけがない。

ヒンズー教では人生を勉学や修行に励む「学生期(がくしょうき)」、職業、家庭をもつ「家住期(かじゅうき)」、務めを果たし自然と向き合って自分自身の人生を静かにみつめる「林住期(りんじゅうき)」、そして放浪と祈りの「遊行期(ゆぎょうき)」に分ける。

この「林住期」という言葉は五木寛之が最近普及させたが、桐島洋子の「華やぎの午後のために 林住期 が始まる」は1989年に発行されている。

末っ子ローリーの高校卒業に合わせ、カレン、ノエルと、3人の子供を引き連れて親子生活卒業記念世界大旅行を敢行した。前半はこの旅行の記録で、後半は50歳を迎え家住期への心構えを語る。

桐島洋子はかって「聡明な女を料理がうまい」という本を書いて話題になった。ここでは、頭がいい、利口、賢いとは違う聡明な女や、清清しい女について述べている。

林住期には、火、水、田園、土、お日様に親しもう、月火水木金土日の金(かね)以外を親しく意識して暮らそうと提案している。具体的には、サンドイッチなど簡単な料理を持ってのピクニック、簡単な料理でのパーティー、朝の時間を贅沢に使うなどである。

最後に、料理人で骨董家、写真家のご主人との関係に触れている。びっくりするほど正直な発言で、離婚しそうだと述べている。結局、2002年に離婚に至るのだが。


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