hiyamizu's blog

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野澤幸司『妄想国語辞典』を読む

2022年02月07日 | 読書2

 

野澤幸司著『妄想国語辞典』(2019年6月9日扶桑社発行)を読んだ。

 

扶桑社による内容紹介

世の中にないけれど、これから生まれてくるかもしれない日本語の辞典

コトバを職業とする著者が、世の中にないコトバを勝手につくり出し、勝手に広めていく企画をコツコツ続けてきました。
現在、ヴィレッジバンガードのフリーペーパーで連載中の「22世紀の言葉」から、えりすぐりのコトバを集め、さらに新しいコトバを追加したものが1冊の本に!
本書のイメージキャラクターとして、『カメラを止めるな! 』の主人公・日暮隆之を演じた濱津隆之さんの撮りおろしクラビアも多数掲載。

《コトバの例》
●伸びしろ採用
【意味】一か八かの選択
【例文】敵のディフェンダーも必死に向かってくる。無難に行っても無意味だ、伸びしろ採用してかないと。
●ペティナイフでマグロ解体
【意味】弱者が強者に立ち向かう様
【例文】あの大横綱と新人力士の取り組み。それはまさにペティナイフでマグロ解体だが、結果はどうなるかわからないぞ。
●病み上がりの生牡蠣
【意味】賭けに出ること
【例文】男には病み上がりの生牡蠣を覚悟する瞬間がやってくる。その時に、その男の真価が問われる。
●自分を小生という男
【意味】自分に酔ってしまう様
【例文】自分を小生という男になってしまった時点で創作は限界を迎える。常に他者の視点を持つことを忘れてはならない。

第二巻も発売されている。

 

なにしろ辞典だ、内容紹介はそのまま例を挙げるしかない。勝手に本の内容を書き出すのは問題なので、扶桑社のニュースレターに出ているものを以下に紹介する。

    • なるほどですね
      【意味】何の関心もないこと
      【例文】最初の頃は期待していた。でも3回目のデートで確信したんだ。彼女は俺になるほどですねだと。
    • 健診前の炭水化物抜き
      【意味】根本的な解決でないこと
      【例文】たとえ政権が変わったとしても、結局のところそれは健診前の炭水化物抜きに過ぎない。
    • 渋谷がつらい
      【意味】老いを実感すること
      【例文】渋谷がつらい瞬間は、ある日突然やってくる。代表的なのが子どもの運動会である。
    • 阿部さんのあだ名はアベちゃん
      【意味】自然な流れのこと
      【例文】たちえどんなに厳しい冬でも、いつか必ず春は来る。それが阿部さんのあだ名はアベちゃんだ。
    • 行けたら行きます
      【意味】絶対に果たされない約束
    • ここだけの話
      【意味】みんな知っていること
    • トビラ開けたら和式トイレ
      【意味】げんなりする・期待はずれ
    • パスポートどこだっけ
      【意味】悲劇の前触れ
    • ビニール傘の取り違え
      【意味】人知れず起きている悲劇

 

 

私の評価としては、★★★★☆(四つ星:お勧め、 最大は五つ星)

 

ナンセンス物が好きな人におすすめ。「あるよなあ」とニヤリとするだけの本。

 

私が面白かったものと、上に挙げた扶桑社の例にずれが見られる。人によって笑いのツボがずれているのだ。

 

2つだけ引用させてもらう。

  • イケメンの寝ぐせ
    【意味】短所が長所になること。

昔のいい男は無精ひげなど生やしていなかったが、最近はわざと生やしている男優が多い。コロナ禍でも金持ちはますます金持ちになるという嫌な世の中。

 

  • 冷蔵庫閉め忘れて海外旅行
    【意味】恐ろしい結末が待っていること。

海外旅行出発前の点検をしている相方に、「電源を切っただけじゃだめだよ、コンセントを抜かないと。微小な電流が流れるんだから」と注意した。10日後、帰宅するとトイレの灯りがついていた。私が最後に入ったのだった。「微小な電流ね!」とおっしゃった。

 

 

野澤幸司(のざわ・こうじ)

茨城県牛久市生まれ。竜ケ崎第一高等学校、青山学院大学法学部卒業。ハガキ職人を経てコピーライターに。 普段はいろいろな広告のコピーやCMを考える仕事をしている

 

 

コメント
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