hiyamizu's blog

読書記録をメインに、散歩など退職者の日常生活記録、たまの旅行記など

2週間ほど、このブログお休みします

2014年03月16日 | その他
17日から2週間ほど旅に出ます。
今回は、のんびりするためパソコンを持参しないので、ブログはアップしません。
3月末?から南仏の写真をアップするつもりです。
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遠藤周作『眠れぬ夜に読む本』を読む

2014年03月16日 | 読書2

遠藤周作著『眠れぬ夜に読む本』(1987年8月光文社発行)を読んだ。

旅や、歴史や、人生などに関する2,3ページの短いエッセイ約50編。週刊誌連載物で、遠藤周作というより、悪ふざけこそないが、狐狸庵先生もの。「眠れぬ夜に・・・」というより、内容は真面目なのだが、重くなく、気楽に読める。

Ⅰ 生と死について考える
Ⅱ 東京について考える
Ⅲ 自分と他人と動物について考える
Ⅳ 趣味と興味について考える

冒頭、キューブラー・ロスという女医が、2500人の蘇生者へのインタビュー結果をレポートし、書いた『死ぬ瞬間』『続死ぬ瞬間』という本が紹介されている。
蘇生者とは、医師から「お亡くなりになりました」と宣告されて3分後、5分後に息を吹き返した人だ。
その結果、多くの人が共通した3つの回答をした。
(1)意識と肉体との分離を経験し「自分の遺体を囲んで家族が泣き、医師が死を宣告している光景をはっきり見た。
(2)自分より先に死んだ肉親などが来て助けてくれようとした。
(3)愛と慈愛にみちた光に包まれ、その方向へ行きたいと思ったが、その時、息をふきかえした。
?私の記憶では、立花隆も"幽体離脱の調査をしていた。『臨死体験〈上・下〉』 (文春文庫)?

一人のお婆さんが顔を直してくれと言った。その年齢で今更と医師が事情を聞くと、お婆さんは笑いながら、死んだご主人は浮気するたびに彼女に向かって「これもお前が不器量なせいだ」と言ったという。「もうすぐあの世に行って亭主と会うでしょうが、その時、驚かしてやりたいんです」

子供の頃は正月が楽しかった。書初め、百人一首、凧揚げ、羽根つき、お年玉、獅子舞など行事が多かった。今は、年始をすませると、テレビでどれも同じような番組を見るだけ。町にでれば、人ごみでクタクタになるばかり。

遠藤さんの息子の披露宴で、仲人の三浦朱門は、「新婦は〇〇(聖心女子)学院の卒業生で、この学校はうちの女房も出た学校ですから、よく知っていますが、うちの女房でよくわかるように、この学校の卒業生にはバカが多いのです・・・」(花嫁の母親も妹も卒業生)。主賓の阿川弘之は、遠藤周作の内輪の話をばらし・・・。

初出:「週刊宝石」1986年1月~12月「人間百花苑」改題
1996年9月光文社文庫へ



私の評価としては、★★★(三つ星:お好みで)(最大は五つ星)

狐狸庵先生のものより内容は真面目なものが多く、しかも気楽に読める。しかし、さすがに28年前となると、世相を反映したエッセイは、ずれが目立つ。物の見方などにはなるほどと思う点もあるのだが、ネタを世間に求めたエッセイには賞味期限があると思わざるを得ない。



遠藤周作(えんどう・しゅうさく)
1923年(大正12年)東京生まれ。1996年死去。慶應義塾大学仏文科卒。フランス留学
芥川賞(1955年)、新潮社文学賞(1958年)、毎日出版文化賞(1958年)、谷崎潤一郎賞(1966年)、読売文学賞(1979年)、日本芸術院賞(1979年)、野間文芸賞(1980年)、毎日芸術賞(1994年)、文化勲章(1995
代表作『海と毒薬』『沈黙』『侍』『深い河』
40代からは、いわゆるぐーたら物を中心とした身辺雑記等を書き連ねる随筆作家「狐狸庵」の顔も持った。


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