ひつじ草の挑戦状

色んな思いを綴ってます。

散華の如く~安土天主へ~

2014-02-26 | 散華の如く~天下出世の蝶~
1575年、長篠の戦で、
脅威の武田勢は滅び、
越後との交流は順調。
殿だけが順風であって、
子は満帆ではなかった。
帰蝶「もやは、殿は天下人にございます…」
父と、たとえ、血の繋がりが無くとも子は子。
子に生まれたからとて、子になったからとて、
“なぜ、分からぬ?”
理解出来るはずもない。
父子、同じ家に有りて、一つとない心なり。
妻もまた同じ。伴侶とは異なる思いがある。
それぞれに、それぞれの思い、人生がある。
「子たち…殿が天下人である故に悩み、苦しんでおります」
信長「それは、そなたの苦しみであろう」
帰蝶「私…かつての天下人の娘、今や天下人の妻…されど、母にございます」
子たちが滅びゆく所を、
母が見たいと御思いか?
信長「子たちは、良き母に恵まれたのう」
帰蝶「やはり…、退いては下さらないのですね」
信長「もはや、退けぬ」
帰蝶「天の因が、子に輪廻…酷うございます」
信長「案ずるな。そなた妻であり、母である」
私を説得すると、
すくりと立ち上がり、
利治「姉上、昔から心配が過ぎまする」
姉に一つ、忠告して、
帰蝶「殿ッ」
弟と共に、
完成間近の安土天主へと向かわれた。


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