ひつじ草の挑戦状

色んな思いを綴ってます。

ありゃりゃ~

2011-07-22 | 義経絵巻-芭蕉夢の跡-
義経「あぁ」小さく頷いて「一緒に、迎えに行こう」と返した。
それを、半ば軽蔑するように見ていたのが匠だった。
匠は、俺たち父子からサッと視線を外し、見なかったフリと聞こえなかったフリをして、後ろから付いて来ていた。カツンッ、爪先に小石に当たって、コロコロ…転がった。
重たい心が足取りを重くさせ、疲れているようにも、いじけているようにも見えた。
月山を登る時は作り笑いを浮かべていたが、下山する時は表情を作る事すら出来なくなったか…素のアイツが顔を出した。随分と淋しそうで、そこがアイツの兄貴そっくりだ。
そこへ、コソッ、弁慶「(池田とは、親父が違うンだとよ)」と耳打ちした。
義経「…分かった」
兄を追って、藪の中の、さらに奥へ進もうとしたアイツが“兄貴ぃ!”を叫んだ後姿を思い出し「なんで、返事してやらねぇんだ」と、ここにいない兄貴を責めた。
俺も、兄貴に返事してもらえなかったんだ、と暮れかけの、沈む心と夕日をちッと睨んだ。
さて、その兄貴はというと招待状に記されてる地図を手掛かりに、太ちゃんを走らせていた。
池田「どうやら、ここのようですね」とある旅館に着いた。馬からゆっくり降り、
能子「…」まだ、胸が痛むんだ…と思って、一人で太ちゃんから降りようとしたら「あ…」
池田「はい」ストンと、降ろしてくれた。
能子「もうッ。一人で、降りられるわ」ぷッとふくれっ面になったら、
池田「転ばれたら、それこそ面倒です」と言われてしまった。
能子「フンッ!」仰け反って、手を腰に当て旅館を見上げたら「あ…」いた口が塞がらない。
池田「クッ」と笑って「狐につままれ(騙され)ましたね」
能子「やってない…」定休日の札が掲げられ、明かりの灯っていない旅館『月山 志津温泉』が、ポツ…ンと暗く寂しく建っていた。ここは、月山登山口にある旅館で、
池田「山開きに合わせての営業らしいですね」と張り紙を見て、登山口を見た。
そこには[無許可入山禁止]、その反対側は崖で[立入禁止]の看板が掲げられていた。
能子「ありゃりゃ~?」やっぱ、野宿…、と池田さんを見たら、
池田「シッ…」と左手の人差し指を突き立て、黙れの合図を出した。
ド…ドド、と微かに向こうから何か聞こえて、ドドド…ドドドドーーと音が近づいて来た。
能子「あッ!?」
「うぉぉぉぉーー×2」と鹿の子ちゃん(鹿角君の彼女)と山羊のミルクちゃんを猛突進させ、
「ツネぇーーーー!!!どこだぁーーー!!!!」と叫ぶ、


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