ひつじ草の挑戦状

色んな思いを綴ってます。

散華の如く~鉄砲と、罪人と~

2013-01-30 | 散華の如く~天下出世の蝶~
煙立ち込め、目から涙が出て来た。
ツン…火薬が鼻を刺激して、痛い。
ジンジン耳が唸り、聞き取り難い。
こんなモノ使って、体制を整える間に、逆に討たれる。
弓矢と違い鉄砲は打つ際の衝撃で、体にブレが生じる。
先に鉄砲を除けた時感じた重量は、赤子より重い位か。
もし、横からの奇襲を受ければ…、
構えの鈍さに加え、命中率の悪さ。
信長「守城戦にしか使えぬ」
殿の仰る通り、抑止、守備には長ける。しかし、
戦国当時の鉄砲技術では攻撃力には繋がらない。
今川戦において鉄砲部隊は初戦惨敗。
偽(ダミー)部隊が奇襲攻撃を受けた。
夜明け総攻撃で形勢逆転。今川氏を討ち取り勝利したものの、
殿の思い描く華やかな処女(デビュー)戦ではなかったようだ。
帰蝶「あ…あの、殿…」
目の痛みと涙が止まり、殿と鉄砲、
罪人と鉄砲を代わる代わるに見た。
鉄砲と罪人…一体どんな繋がりが?
信長「縄を解け」
罪人の捕縄は小刀で切られ、
海の男は自由の身。そして、
「五兵衛と申したな」
殿は海の男を五兵衛と呼び、未だ火薬残る火縄銃を渡した。
罪人「…」無言で、私を手で払いのけ、下がるよう指示、
横にズラした正絹を引きずり戻し、その上に銃を置いた。
「ふん」
顎で縄を切った小刀を要求し、手渡された小刀で、
見るも無残、種子島伝来の鉄砲をバラバラに分解。
身丈程の正絹に鉄と木個々の部品が整然と並んだ。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。