ひつじ草の挑戦状

色んな思いを綴ってます。

散華の如く~蘭丸 VS.明智~

2014-07-20 | 散華の如く~天下出世の蝶~
目の前が真っ暗になって、気が付いたら、
私はどこか知らぬ場所で寝かされていた。
塩川「御方様…」
帰蝶「ここは?」
塩川「大事ございませぬか?」
帰蝶「ここ…まで、そなたが、私を運んだのか?」
塩川「体調優れぬのなら、そう仰って頂かないと」
彼女は、悉く、私の問いを覆してきた。
帰蝶「一体、誰が、私を、ここまで運んだ?」
塩川「…。ここのご住職様がたまたま通り掛かり…、手をお貸し下さいました」
帰蝶「ご住職が…?」
塩川「は…、運が良うございました」
帰蝶「ここのご住職…さぞ、お若いのであろうな?」
塩川「…」
彼女は口を一文字に結び、黙していた。
私の質問に答えたくないのだと思った。
帰蝶「礼を言わねば…、ご住職をこれへ」
すると、
す…と、
襖が開いて、
「蘭丸…」
頭を下げた。
蘭丸「申し訳ございません」
帰蝶「殿は、私が信用出来ぬ故、そなたを寄越した、そう解釈して良いな?」
この質問に対しても、悉く、覆してきた。
蘭丸「元々ここの住職は、近江の坂本に居られました」
帰蝶「近江…?」
蘭丸「御屋形様は私に近江を下さると」
帰蝶「そんなはずはあるまい。近江は」
蘭丸「明智様に、近江は重かろうと、そう仰せで…」


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