ひつじ草の挑戦状

色んな思いを綴ってます。

散華の如く~一つ、一人の改革~

2012-10-21 | 散華の如く~天下出世の蝶~
信長「この世を変えるとは、また親父殿も、でかく出たのう」
帰蝶「殿にとって、さほど大きな業とは思えません」
一人、平手様を動かし、一人、道三を動かす。
波紋のように一つ、また一人と動かしてきた。
長良川の合戦もそう…道三入道は娘婿の援軍を知るや、兄への進撃を決断。
入道は最期武将となって、兄に討たれ、花散らした。それこそ、武将誉れ。
「殿は、父を変えましてございます」
信長「まだ…“何も”しておらぬ。約束も、果たしておらぬ」
帰蝶「約束…」
そういえば、
“義父上との約束は守る”
確か、男同士の約束とか…なんとか、そんな話をしていたような…。いつだったか?
「殿…?」
細い目の奥に、深い哀しみが見えた。
その哀しみを探ろうと、心を見たら、
信長「いや、何でもない」
ふいに、視線を逸らされた。
殿に限って“何も”考えていないはずが、無い。
帰蝶「殿が、これから“何を”成さんと欲するか、それが分からぬ濃ではありません」
隠された心理、その裏を殿の横顔をから探ってみた。
しかし殿は、心理を読まれると視線を右下に移した後、再び、私を見た。
信長「案ずるな」ふっと小さい笑みを作ったが、
帰蝶「それこそ、白々しい」
安心せよ、という言葉が空々しい。
これから、危ない橋を渡りに行く、と言うておるようなもの。
「殿はいつも、案ずるから遠い所に居ります」
信長「そうか」
帰蝶「えぇ。御抹茶でも点てて、ヤキモキしております」
信長「そなた、紛れも無く、親父殿の娘御よ、濃」
帰蝶「蝮の娘の、うつけの妻にございますよ」


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