散華の如く～伴天連追放令～

西洋でのディアモーンは、
神の悲しみの塊だという。
その塊が、悲しみの世界、
いわゆる、地獄を作った。
地獄を作るは神ではなく、
人それぞれの業と悲しみ。
元々、地獄というモノ、
どこにも、存在しない。
便宜上、人が作った架空世界。
それこそ、空の、虚無の世界、
殿が命じた、この世の地獄を、
見事、再現したのは、明智様。
それもこれも、
出世の障壁を排除するため、
殿のお気に入りになるため、
つまり、
殿と利害関係が一致しただけ、
それだけの、門徒だけの地獄。
伴天連たちは、暴徒化する信者を、
どう思って、見ていたのであろう？
この火種…切支丹にも飛び火する、
そうは思わなかったのであろうか？
ソルディ「オヤカタサマ、アタタカイ方」
ディアモーンに手を組み、
ここにいない主に祈った。
「オヤカタサマなら…」
帰蝶「もし、この世から、あなた方の救いの主が居なくなったとしたら、どうなさいますか？」
ソルディ「オォ、それは、アナタのオソロシイクウソウ」
帰蝶「これは失礼…、真に恐ろしい空想にございますね」
私は、いずれサルによって出される伴天連追放令を、この時、予見していた。