ひつじ草の挑戦状

色んな思いを綴ってます。

八岐大蛇伝説~出雲之国と鉄の神~

2012-02-19 | 八岐大蛇伝説 ~治世の象徴 天叢雲剣~
巫女「まず、国に名を付けましょう。出雲(いずも)は、如何でしょう?」と微笑んだ。
あぁ…この巫女の笑顔にやられちまったよ…たくッ、
青年「…出雲だな、そう致そう。だが…、」やられたら、やり返すッ。
「俺は少々乱暴でな、何を仕出かすか分からん。そこで、相談役を、そなたに命ずる」
巫女「私で良ければ、何なり…、と?」グイッと、強引に彼女を引き寄せて、
青年「(なら、まず、子をどうする?)」小声で誘ったら、
巫女「かぁ…」と見る見る顔が赤くなって、
青年「(孫の顔が見たいんだと。今夜辺りどうだ、ん?)」
巫女「その前に子たちと暮らせる大きな社をお作り下さいませ」するっと腕からすり抜けた。
この巫女…なかなかのモンだな。
…さてと、こうして俺は現実的で堅実な相談役を傍に置き、出雲の国の神となった。
高天原の一件では天の厄介者、乱暴を働く 嵐神と恐れられ…追放。その後、住む場所を与えられ、罪滅ぼしの国造り…。
捨てる神あれば、拾う神あり、だな。
姉も粋な計らいをするもんだ。
“地に落ちよ”
落ちてみて分かった。人間たちは、生きるに必死なのだという事を…。
俺は、この国のためにタタラ製鉄の智慧を広めた。針など漁具、鍬などの農具を作らせ、異国の剣を模して、錆びない道具も作らせた。これが合金、鋼の技術だ。その技術により、格段に収穫・漁獲量は増え、荒廃していた土地は見る見る蘇った。
月日が経ち、実りの秋…大地は金色の稲穂が頭を垂れ、空では白い雲がゆらゆらと浮かんでいた。時おり、思い出す。嵐神と言われていた頃の荒々しくも荒(すさ)んだ自分を…。

(演目 大蛇の須佐之男さんです)
それが今では鉄の神といわれ、皆が慕ってようになった。それに、
ちらりと、妻と娘を見た。こんな俺でも一家の大黒柱となれた。
須佐之男「おい、出掛けるぞ」妻子を連れ出し「見ろ」建築中の、神殿に案内した。
天の浮島 高天原に届くよう、大きな柱を立て、その頂きに、
「もうすぐ、完成だ」
出雲之神殿を作らせている。
妻「御父上様はね、この空の向こうの白い雲から降り来られて、私を助けて下さったのよ」
そう口癖のように、娘に教えている。その妻の名は、櫛稲田(くしなだ)姫。あの時の巫女だ。


(櫛田神社・射水)


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