ひつじ草の挑戦状

色んな思いを綴ってます。

散華の如く~殿の、悪い癖~

2013-01-02 | 散華の如く~天下出世の蝶~
一部の大人がいくら注意しても、
陰で繰り返される、黒への差別。
一向に改善の兆しが見られない。
信長「仕方あるまい」
帰蝶「仕方…無いのでございましょうか…」
私の心は、そう簡単に片付けられなかった。
身分の上下関係と差別偏見は、全く異なる。
無理に膝を折り、屈させて、
異国の高い鼻を蹴飛ばした。
“止めよ”
止めた私が、黒をご贔屓にしていると、
陰で叩かれ、余計哀れな立場となった。
「出で差別されるなど、あまりに理不尽…」
私自身、侍女からマムシの娘と偏見の目に晒され、
殿には、天下人道三の娘子とご贔屓にされていた。
信長「どうせよと?」
帰蝶「それをご相談に、こうして参っているので…す?」
し、しまった。またしても、
殿の策にハマってしまった。
これでは、殿の思う壺。
案の定、ほくそ笑んで、
信長「そうか、その相談だったか」
そうかそうか、と同じ悩みだったとは、
それはそれは、夫婦ともに悩もうぞと、
肩に手を置き、私の目を覗き込む。
このデカい図体のいたずらっ子が、
帰蝶「何を、企んでおられるのです?」
信長「良いか。黒を、特に、特に贔屓せよ」
帰蝶「はぁ…」
殿の悪い癖が出た。


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