ひつじ草の挑戦状

色んな思いを綴ってます。

散華の如く~黄虎V.S白馬~

2012-10-10 | 散華の如く~天下出世の蝶~
殿が逢うてくれぬから、私に直談判か?
それとも、正室の座を退けとか?
はたまた、側室の座をくれとか?
「話を聞こう、通せ」
生唾ごっくん。
気品溢れる白馬のような美しい女性が入って来た。
たじ…と、美人に見下ろされるのは、不愉快じゃ。
「は、早よ、座れ」
生駒「はい…」
すらぁと伸びた身長が上座の私と同じになって、ほ…落ち着いた。
それにしても、物腰も優雅で、気品たっぷり。私とは正反対だな。
透き通るくらい美しく肌に黒く愁いを帯びた瞳。容姿では惨敗だ。
しかし、女とは心、魂じゃ。さて、
帰蝶「何か?」
生駒「お初にお目にかかります。生駒 美と申します」ゆっくり、頭を下げた。
する…と、艶やかな黒髪が流れるも、殿方にはそそられるであろうな。
顔を上げると、ん…と、閉じられた瞼がゆっくり開いた。
ドキッとするくらい潤んだ瞳で、見つめらたら、殿も一貫の御終いだ。
女の私がうっとりする程の美人、こんな愁いある傷心未亡人を、殿が放っておくか?
いや、絶対ッ、放っておかぬッ。
帰蝶「先ほど逢うたから、二度目じゃな」
生駒「先ほどは、挨拶もそこそこ、ご無礼仕りました」
帰蝶「無礼だと、思うておらぬ」
無礼を働いたのは、裏でコソコソ嗅ぎまわったのは私だし…な。
すると、
生駒「くす…」と小さく笑った。
ムカッ。
帰蝶「何が可笑しい?」
生駒「いえ、噂とは当てにならないものだと思いまして」
帰蝶「噂…」


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