ひつじ草の挑戦状

色んな思いを綴ってます。

散華の如く~天岩戸の、神隠し~

2013-11-28 | 散華の如く~天下出世の蝶~
担がれ、背負われ、
わっしょい、わっしょい、
揺れる台座が怖い。
早う、早うこの時間が過ぎてくれまいかと、
天を見る代わりに殿を見たら、
褌男たちを煽り、笑っていた。
帰蝶「仕方のないお人…」
私もここでは、微笑むしか…なかった。
御堂から出て、境内を三週した後、
やはり、殿の合図で、
褌男の舞が止まった。
信長「目を瞑っておれ」
帰蝶「え?」
朝日が放つ浄光が真っ直ぐに、
御堂から出た私を照らし出す。
「あッ」
眩しさのあまり、
私は瞼を閉じた。
天照大神なのか、
大日如来なのか、
橙の光りが、私を包む。
実に温かい光であった。
「御来迎…」
私に光が集まるように、
民は一斉にひれ伏した。
信長「鏡を忘れておったわ」
それで、分かった。
何の意味なのか…、
帰蝶「何とも大掛かりな寸劇にございますね」
私としたことが、殿の寸劇に一役買ってしまった。