ひつじ草の挑戦状

色んな思いを綴ってます。

散華の如く~仏心、本より空~

2013-11-20 | 散華の如く~天下出世の蝶~
帰蝶「う…ん、ぁ…あ」
熱…、息が…出来な…い、
“濃、濃…”
呼ばれて、体を揺すられ、
「はッ」と目が覚めると、
未明に起きた事変と、
殿の首は消えていた。
首の代わりに、私は、
殿の手を握っていた。
信長「また、うなされておったぞ」
帰蝶「…」
悪い予感を振り払うように、
殿の手を、パパッと祓って、
視線を下げた。すると、
殿の、赤いマントが、
私に掛けられていた。
「こんな所に閉じ込めるからにございます」
信長「こんな所は、なんたるバチ当たりか」
帰蝶「ふ…」深く息を吐き、
御本尊様にお伺い立てると、
生駒でも泣く、泣いても無く、崩れても無い、
なんら変わり無い、観音様がそこに居られた。
一つ、変化があるとしたら…、
帰蝶「こんな所に、大穴あけて」
信長「仏心、本より空」
帰蝶「空の頭を丸め込み、寺を乗っ取ったのございますか?」
信長「寄進が増えようと持ちかけたら、ほいほい乗ってきた」
つまり、女の救済、乳デ観音様を作り、
ここ小牧の民を味方に得ようと考えた。
帰蝶「私も、殿に踊らされましてございます」