OGUMA    日々軌 小熊廣美の日々新

規格外の書家を自認している遊墨民は、書は「諸」であるという覚悟で日々生きている。

気楽に綴らせていただきます。

闊達、寡黙

2016年05月09日 | 日記
大みそかだったとか、97歳で逝った和紙漉き職人の仏壇にやっと昨日手を合わせてきた。
最近は世界遺産などと騒がれているが、長い和紙産業衰退のなかで、一途に、小川の和紙のためにつくされてきた。
私の和紙漉きの師匠の一人でもあった。
70代後半、その紙漉きする姿は絵になって、その残像を追って、私は紙漉きをしてきた。
久保昌太郎という方は、じつに雄弁に闊達にしていながら、自在に精魂かたむけて紙と生涯かかわったのだ。
おおらかな笑顔が似合う方だった。

今日は富田勲さんの訃報を知る。
10年ほど前、私が関係していた文化組織の公演に足を運んでくれたりしていた。
娘さんが面白い方で、たまたま書を教えたりしていたので、挨拶程度はしたことがあったが、いつも寡黙な印象。

ただ、そこから生み出された音は、われわれの印象に残りつづける。

娘さんも好きだったという「新日本紀行」の郷愁。
ジャングル大帝の雄大さ。
いまでも使われているのか、だれもが聴き覚えのあるNHKの料理番組のオープニングの曲。
晩年になっても、精力的に活動して、新聞によると、最後まで、だったようだ。


生きることにおいて、一生、追えるものがあるのは、美しいとさえ思う。



宇宙。
大きく自由である。






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