故郷へ恩返し

故郷を離れて早40年。私は、故郷に何かの恩返しをしたい。

2015-02-22 06:12:50 | プロフェッショナル
雪道、それでも行かなくては

まず、描きたい絵から入りました。

どうして、雪道なんでしょう。
寒いから家に居たい。出かけたくない。
用事があるから出かけます。
真冬の札幌、豊平川にかかる九条大橋を渡る時、耳がちぎれそうでした。

今日は、サービスのプロフェッショナルを紹介します。
わが社にいる62歳のサービスマンのことです。
出会ったのは、18年前のこと。
きらりと光る何かを持った方でした。
何でも頼みました。なんとかしてくれました。

昨日、冷凍庫の中でピッキングをするロボットが故障しました。
パレットの上に積んである番重を倒したのち、
このロボットは動かなくなりました。ただ、それだけの情報でした。

ロボットのアームは伸び切っていました。
まずは、手動で原点に戻し運転再開しました。
番重は、32段。最初に取りに行くべきところへ止まりません。
緊急停止ボタンを押しました。コンピューター画面で、
再度正しい番重数を入力しました。ロボットが記憶している
番重数は違うようです。
手動でそのパレットを移動し、手取り位置まで出しました。
次のパレットを出庫し、再度ロボットに出庫指示を出しました。
ロボットは、定位置で番重をつかむものの途中で止まりました。

それから一つずつ故障個所を見つけ順繰りに対処していきました。
最後に集計すると5箇所にもなりました。
ロボットの誤動作で、余計な負荷(800Kgを移動できる)がかかり
破損したのでした。ロボットは4方向から番重を押さえて、持ち上げます。
番重をホールドするアームの取り付けボルトが
破損(6mmx4本が剪断)していました。
ホールドするプッシャーの90度ずれた両方向から番重を固定する
補助的役割のサイドプッシャー(10mmのステンレス板)が
曲がっていました。
サイドプッシャーの動きを確認するフォトセンサーが断線していました。
-20℃の環境では、柔らかい銅線ももろくなるのです。
剪断箇所対面のアームプッシャーのフォトセンサーの台座が
曲がっていました。
ロボットのメモリーが違っていました。

諦めずに、故障を見つけ治します。
再運転をしアラーム(異常)が次から次に出てくる個所の修理をしました。
この人の作業を支えているのは、諦めない気持ちが強いことでした。
アラーム(異常)が出るのは、何らかの原因があります。
その原因を見つけ、丹念に修理していくのです。
ロボットメーカーを呼べば、治るのは火曜日になるでしょう。
3日後です。その間、手作業で出庫し続けることになります。
-20℃の中で、延々と修理は続きました。
凍傷にならないように時々冷凍庫の外に避難します。30分が限界です。

この方は、オペレーターに丁寧に状況を聞き続けます。
オペレーターはうつ病になっていました。
オペレーターは、-20℃の冷凍庫で毎日働いています。
静かな男は、過酷な仕事を会社に文句も言わずに続けていました。

治ったのは、オペレーターより修理依頼の電話があってから8時間後でした。
見事に、ロボットを復活させました。
この人は、自慢などしません。ひたすらプライドを持って挑戦し続けます。
持ってる力の全部を出し切ります。
時には、コンピューターを使って、シーケンサーの数値を変更します。
心ある若いサービスマンは彼の後を追います。そして、技術を習得します。
彼に師事した若い男達は、諦めない男に育っていきます。
会社は、その仕事ぶりを高く評価していません。

彼は、工場の誰彼なしに話しかけます。
若いオペレーター達は、彼の技量と人柄をよく知っています。
困った時に、最初に電話をかけるのは彼なのです。
電話がつながらない時は、順番に弟子にかかります。

サービスのプロとは、諦めない折れない心の持ち主なのです。

2015年2月22日
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