故郷へ恩返し

故郷を離れて早40年。私は、故郷に何かの恩返しをしたい。

もうひとつの恩返し

2021-08-13 17:54:12 | プロフェッショナル

この子が、今日のタイトルに相応しいとは思わない。
どの子でも同じ印象である。
絵のタイトルは、「めぐりめぐって」です。


見た目より 巡り巡って 温もりに 

恩返しってなんだと、広辞苑を引く。
受けた恩に報いること。
(広辞苑より)

今日のタイトルは、「もうひとつの恩返し」です。
「受けた恩」というのは、年上の人や自分よりゆとりのある人や地域で受けたものと思いがちです。
ニートや都会で暮らせぬ若者が、過疎の村に引っ越してきた。
村人は、若者に何があったかを問わない。
寒村で暮らす独居老人の隣に若者が来た。
老人は恩返しに似たものを感じる。

金は天下の回り物。.
意味は、金は一箇所にとどまるものではなく、常に人から人へ回っているものだから、
今はお金が無い人の所にもいつかは回ってくるという励まし。
つまり、この場合の「金」は若者を差す。
暮らしが成り立たぬから、若者が出て行き過疎になった。
過疎だから、都会で暮らせぬ若者が入ってきた。
若者は、老人が丹精込めて作った野菜をいただく。
何にもできない若者は、老人から田舎の暮らしを学んでいく。
若者は、お礼を言うばかりで恩返しらしきものはできない。
老人は、「それは、反対」だという。
むしろ、自分が恩返ししなければと。

子供の恩返しは、4歳で終わっている。
目上の人が、若者に恩を売る時代ではなくなった。
目下の者(代表者は子供)が報いることでもなくなった。
「もうひとつの恩返し」とは、繋がりのようなものかもしれない。
毎年訪ねてくるボランティアに、今年はこれができたと伝えることが励みになる。
コロナ禍で、都会で暮らすのは辛いことである。
義務感を背負いリストカットを繰り返す。
こんな若者の逃げ場で良いではないか。
元気になった若者は、また都会に出て行くかもしれない。
または、地元に残り歯車の担い手になるかもしれない。

そんな仕組みをやんわりと創り広げるのが、地域おこしではないだろうか。
かつてのようには、もうならないのである。
かつての繁栄が正しかったとも言えない。
水は高きから低きへ流れるのである。
時には淀み、時代の激流に飲まれる。
ダムを造り、低きから高きへ水を揚げるエネルギーを使う必要はない。
空と森と海は、けっして急いではいない。
熱さえあれば、水蒸気となり上昇し、雨となって降りてくる。
その熱が何かを探る知恵と愛情が試されている。

2021年8月13日
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