故郷へ恩返し

故郷を離れて早40年。私は、故郷に何かの恩返しをしたい。

出会い

2022-03-14 10:44:55 | よもやま話

絵のタイトルは、「わっ」です。
出会いは、いつも突然です。
狼狽えることはないのです。


今日のタイトルは、「出会い」です。
私達は、多くの人や物語と出会ってきた。
出会うために生きて来たと言ってもよい。
出会いだけでなく、多くの人と別れても来た。

母は、脳内出血で入院した。
夜、付き添いををした。
その頃は、看護婦さんが母の手をベッドの柵にひもで固定していた。
小さな身体のどこにあるのか、力技で柵をはずした。
私は、母に語りかけた。
隣りのベッドですすり泣く声が聞こえた。
表情が無くなった母との「出会い」であった。

コーヒーに入れた氷砂糖が融ける「プチプチ」という音がした。
私は、後にかみさんになる女性と待ち合わせをしていた。
待ち合わせは、蔦が覆う銀座の喫茶店。
木製の階段を上がるハイヒールを待ち焦がれた。

目が覚めたら、隣のベッドに寝ていたかみさんはいなかった。
出てこない我が子を待っていたかみさんは、歩いて産室に向かった。
小さな産声が聞こえた。
大きな力が湧いてきた。
娘との出会いである。

出会いを書けば、枚挙に暇(いとま)がない。
第一印象をよく覚えている人のことは、忘れない。
こんな人だったんだ。
存在自体が大きくなっていくことを抑えられない。
心の中で、何度も会うことになる。
申し訳ない。
ありがとう。

初恋の人に妻と一緒に会った。
50年ぶりの想いを伝えた。
思い残すことは、何もない。

出会いは、いつも初舞台。
出会ったのちは、発見の日々である。
歓びも後悔も刻々と過ぎていく。
口約束など忘れた。
ただ、共に生きなければならない。
新しい人柄にまた出会う。
都度、元気が出る。
嬉しい。
ありがとう。
そんな人とは、長い付き合いになるのでしょう。

2022年3月14日

<<あとがき>>
恋人を幸せにできるかと自問する。
多くの場合、自信が無い。
自信がある人など一人もいない。
自分が幸せになれるかだけは、解った。
それで、いいんじゃない。
(筆者)
コメント
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