道半ばにして、あっちに逝った「友人」です。
今日のタイトルは、「自分おこし」です。
友人の葬儀に参列した。
協力隊になって3年目を迎えていた。
移住も起業も何とかなりそうだった。
根気よく準備をしていた。
突然の死であった。
高血圧の持病があったとか。
参列していた女性と話した。
その方も協力隊員である。そして、一年目。
体験を話した。
期待されていないことに早く気づいてください。
期待されない自由にも気づいてください。
何をしてもよい。
ミッションの有無に関係なく、何をしたらよいのか考える。
私の3年間は、「自分おこし」だったと話した。
「自分おこし」とは、
自分は何がしたいのか。何ができるのか。
自分流のやりかたで試しながら、良い悪いを知ってきた。
会社勤めでは、なかなかできないことです。
指示されたことを、自分の能力で精いっぱいやることが望まれること。
地域おこしは、地域で何が求められているのかを知り、それにどう対応するか。
白紙にとりあえず字を書くような作業です。
どんなことを書きたいのか。
どんなふうに書くのか。
続けて何枚か書く。続けるも、納得できる字は書けない。
何が必要なのか、気づけず躓く。
気づいたとて、自分は何ができ、何をしたらよいのか相談する人もいない。
これならできるかと、似顔絵を描き始めた。
最初は、お会いした人の顔を覚えるためであった。
一生懸命、良いところを探す試みとなった。
描いてもらったことがないと、喜んでくれた。
これがしたいと、空き家や耕作放棄地の草刈をした。
実に気持ちがよいものであった。
誰にも手伝わせないと隠れるように続けた。楽しくて仕方がなかった。
妻は、気が振れたのかといぶかしがった。
生い茂る草や雑木の中から、使われていないカフェが現れた。
使えないかと交渉した。信用されず、交渉は難航した。
できることが増えてきた。
カフェを始めると、赤字が目についた。
材料費を抑えるために、卸を探し良いものを安く購入した。
畑を借りて、自家栽培を始めた。
初めは、収穫できなかった。店で出る生ごみをコンポストにし、畑に入れた。
すべて、やれることの連鎖のような「自分おこし」であった。
話したい人がカフェに来る。
溶け込むように暮らしを続ける。
旬の食材を使った料理は無限に広がり、味付けは深くなる。
また来たいとリピーターが増えてきた。
周りの耕作放棄地の中にある私たちの畑は元気になっていった。
畑の周りの草刈もできるようになった。
休むことはなくなった。
できることを続ける「自分おこし」である。
疲れることもなくなった。身体が丈夫になったのである。
証拠に、ゴルフの飛距離が伸びてきた。
地域おこしに経験は必要ない。
できることを根気よく続けることである。
続けることで、どんどん見えてくる。
それでよいのかと、時々は立ち止まる。
もっと、遠くを見ることが求められる。
周りに眼を配ることである。
もっとできることと、やることがあるはずである。
大根葉 間引きいただき 冬を待つ
2019年10月7日