故郷へ恩返し

故郷を離れて早40年。私は、故郷に何かの恩返しをしたい。

気づかぬ傷

2019-10-19 08:32:38 | よもやま話

タイトルは。「傷あればこそ熟す」です。
真偽のほどは置いといて、もうすぐ干し柿を作る季節になりました。
傷は勲章です。大事に付き合いましょうかね。


亡きお袋からたくさんの野菜が届いた。
良かれと想う母の気づかいでした。
半分は潰れて、半分は多すぎて食用になったのはわずかであった。

今日のタイトルは、「気づかぬ傷」です。
熟れたもの(美味しいもの)を食べさせたい。
家族が多い我が家を喜ばせたいと、大量の野菜でした。
何度も届いた宅急便の惨状を報せました。
我が家の冷蔵庫で順番に傷んでいく野菜を見て嘆きました。

結婚式の引き出物が、カタログ注文になっていった。
お返しの習慣が変わったのである。
かつては、お返しにいただいた皿やお盆で押し入れがいっぱいになった。

先輩が、後輩に自分の経験を話すのが飲み会の常識であった。
今では、セクハラやパワハラに気を付けながら話さなければならない。
社員旅行に行きたいという社員が減ってきたので、旅行そのものが取りやめになった。
先輩も会社も「良かれ」との思いから出る活動です。

今度は送る側になった。
中には、見たこともない食材も混じっている。
料理方法と保存方法も付け加えている。
食材の中には、筍やとうもろこしのように、採れたてから時間が経つごとに味が落ちていくものがある。
筍は、4時間以内に茹でたものを冷蔵で送る。
大量にいただき送るので、もらってくれる人も捌ける人を選ぶ。
渋柿を500個いただいた。100個ずつ都会の知人に送った。
ご主人も手伝って、干し柿にしたそうである。

良かれと思い言った言葉で、他人を傷つけることもある。
反対に、励まされてさらに落ち込むこともある。
励ましは、まことに難しいのである。
黙って聞いてあげるくらいでちょうど良い。
傷が癒えたら、その人はまた自力で歩き出します。

「気づかぬ傷」にどうすれば思い至るのか。
ある人は、相手を想う「愛」だという。
小説でも漫画でも作者がいる。
作中の人物は、書き手の思うようにはならない。
勝手にしゃべりだしたり動いたりする。
この主人公やったら、このくらいは言うなと代弁するように書き留める。
果物などが鳥につつかれる。その果物はさらに美味くなる。
木が風にあおられ枝が折れる。折れた個所はさらに強くなる。
植物は、傷を治そうと糖を送り再生するのである。
だから、美味しくなり丈夫になる。

「気づかぬ傷」は、人が生きていくうえでの試練のようなもの。
自分で気づかぬうちに、相手を傷つけたとしても心配はないのである。
相手も初めて気づいた傷である。気づかせてくれたことを暗に感謝するのである。
そして、さらに強くなろうとする。あなたに近づかなくなるのも防衛本能であろう。

腐りかけ 美味しんやで 三十路かな

2019年10月19日
コメント
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