故郷へ恩返し

故郷を離れて早40年。私は、故郷に何かの恩返しをしたい。

それぞれの桃源郷

2019-10-28 11:16:50 | よもやま話

タイトルは、「海女城」です。
妻と訪ねた沖縄のぐすく(城)です。
広がる空間と、ゆっくり流れる時間の思い出です。


今日のテーマは、「それぞれの桃源郷」です。

桃源郷とは、
陶淵明の作品『桃花源記』が出処になっている。
桃源郷への再訪は不可能であり、また、庶民や役所の世俗的な目的にせよ、賢者の高尚な目的にせよ、
目的を持って追求したのでは到達できない場所とされる
(日常生活を重視する観点故、理想郷に行けるという迷信を否定している)。
創作されてから約1600年経った現在でも『桃花源記』が鑑賞されているのは、
既に人々の心の内にある存在を、詩的に具象化したものが桃源郷であるためとされる。
既に知っているものであるため地上の何処かではなく、魂の奥底に存在している。
桃源郷に漁師が再訪出来ず、劉子驥が訪問出来なかったのは、心の外に求めたからであり、
探すとかえって見出せなくなるという。
(Wikipediaより)

やはり、桃源郷はなかったか。

それでも挑戦しよう。
人々の心の内にある存在を、詩的に具象化したもの。
今日は、久しぶりの秋晴れです。妻は、畑でできた花豆を干しています。
場所はと言うと、軽トラックの荷台です。
よく実った花豆も合わせて、彼女にとって桃源郷だったのです。

心が安らぐ場所は、人それぞれです。
鼻を広げて、空気をいっぱい吸い込みたくなる場所、それはいつもは行けない日本の原風景かもしれない。
楽しい思いがいっぱい詰まったところ、ハッと眼を見張るような一瞬の感動。
ある人は、騒音けたたましいパチンコ屋さんかもしれない。
またある人は、愛する人の膝枕かもしれない。

果たせぬまでも、心のよりどころにしている場所やふれあいが桃源郷ではないかと思う。
理想郷なんてないのです。
低賃金を嘆く。
低賃金で働かざるを得ないと嘆く。
低賃金ではない会社に転職し、自己努力でもっと稼ぐ。
人それぞれです。
低賃金で働く人がいるから、社会は成り立っている。
例えば農業や漁業です。
機械や船を使います。化石燃料で動きます。
もうかる売価で売りたい。社会の仕組みは違います。
稼げないけど、家族が離れ離れにならずに生活できます。
毎日、日本の原風景の中に溶け込んで暮らしています。
職住接近で、都会の人より自由時間は多いかもしれない。

妻が嘆きます。
200時間働いても、儲けはありません。今月も赤字でした。
値段をあげると、息巻いています。
低賃金にも問題がある。買いたいものやサービスが受けられないのです。
国によって、低賃金に格差がある。
日本の低賃金者は買えぬが、ヨーロッパやアメリカの低所得者は買える。
社会保障が、日本より格段に良い国がある。
スマホやインターネット料金は、どこの国でもほとんど同じ国際価格です。

私は、高給取りでした。
努力すれば、金は入ってくる。
金をたくさん使えました。
価値と判断する金に追い回されていました。
少ない年金ですけど、今の方が貯金ができる。
野菜中心のメニューを開発し、我が家の畑でできた新鮮な野菜で、
カフェに来られるお客さんをもてなしている。
会社と家の往復の高給取りではありません。
毎日来られるお客さんと、話し笑い過ごす時間があります。

さて、桃源郷のこと。
焦ることはない。パニックに陥ることもない。
あなたが温める桃源郷を、時には詩的に、またある時は具象化しましょう。
売価を自分で決める。美味しくて新鮮ならば、客はつきます。
素敵な場所を世界中の人に案内し、生業とする。
あなたが好きな空間や時間は、他の人もきっと好きになるでしょう。

桃源郷などなかったのです。
探すとかえって見えなくなるのです。
一足飛びは、どうやらなさそうです。
じっくりと自らの心に問いかけましょう。
あなたにとっての桃源郷とは。

池の傍 揺れる光が 軒遊ぶ

2019年10月28日 

コメント
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