Afternoon Avenue 25 (by hide_boo)

Perfumeと乃木坂46、IZ*ONEなどのアイドルやクルマやバイク、好きなものついて、だらだら綴ります。

悲しみの忘れ方 Documentary of 乃木坂46 (Update 2015-08-09) / 東宝

2015-08-05 21:07:31 | Weblog

外では盛大な花火大会が開催されているというのに、横浜ブルク13のスクリーンの席は予想したより観客が多かった。主要劇場は7月末で上映終了となっているので、交通の便の良い横浜に集まったのかもしれない。


まだご覧になられていない方には、ネタバレになってしまうので、内容の詳細は書けないが、メインキャストである生駒里奈、西野七瀬、白石麻衣、橋本奈々未、生田絵梨花の5人を掘り下げることで、乃木坂46全体が語られる。


5人はそれぞれに事情をもち、振り返りたくない過去があり、自分を変えたい、変わりたいという点で一致する。彼女らを見守る暖かなナレーションがより一層彼女達の決意を浮かび上がらせていく。5人の中でやはり印象に残るのは、生駒里奈と白石麻衣の二人である。ボーイッシュなアイドル、ガーリーなモデルと見た目は対象的な二人だけど、共通して辛い過去を持ち、そこから乃木坂46の中で変わろうとしている。二人ともキャプテン以上に乃木坂を引っ張っている存在だが、今日の自分に辿り着くまでいったいどれだけの涙を流したのだろう。

 

映画の中では、若月、松村のスキャンダルも取り上げている。ファンの中には「少し軽く扱われていないか」と思われる方もいるかもしれない。そこはドキュメンタリーであって、断罪するための作品でもない。当時、どんな思いでいたか、今、どう思っているのか、それを伝えるだけだ。あたりまえだが、それだけでも本人にとっては辛いことだろう。

 

5人の過去が語られたあとに「君の名は希望」が流される。歌詞のテロップも流され、この歌にどれだけのメンバーの想いがのせられているかを改めて思い知る。自分はここで思わず目頭が熱くなってしまった。

 

映画のエンドロール直前で、堀 未央奈のことが語られる。それは決して十分な時間は与えられなかったが、「乃木坂を辞めずに髪を切った」堀 未央奈の笑顔がラストを飾る。それは乃木坂46の新たなる”希望”なのだ。

 

正直、これは映画として、エンターテインメントとしてどーなんだろう、とは思ってしまった。乃木坂46ファン、またはアイドルが好きというファンにはたまらない内容になっているとは思うし、いちファンである自分には乃木坂46の情報のかたまりを喰らわされたぐらいの衝撃なのだが、それ故に「映画」として面白かったのかと問われると、評価が難しい、というか評価できないかもしれない。上映期間がSKEのアイドルの涙と同程度で3週で終了になるのだから、決して一般受けするものではないのだ。それでも前売りなどは一定量はけるから、東宝も製作してくれたんだろう。

 

AKBのような淡々と事実を積み重ねていく形式もありだと思うが、今回乃木坂版については、丸山監督の個人を掘り下げることで乃木坂全体を浮かび上がらせようとする狙いは十分反映できていたと思う。ただ、5人及び松村沙友里へのインタビューはもっと突っ込んで、赤裸々な言葉を導けたのではないかと感じた。唯一、西野七瀬は意外と思ったことは言えるのだなとびっくりしたが。

 

(追記)

前述したとおり、乃木坂ファンとしては5人の秘めた想いと時々垣間見えていた闇に光が当てられ、彼女たちにとっての乃木坂46がいつか自分の夢へと続く通過点であるかもしれないけれど、今、この瞬間、唯一無二の居場所なんだということを教えられた。

 

後半のインタビューで印象的だった橋本奈々未が見せた涙は、彼女の家庭環境とそれに抗いながら上京して頑張ってきたこと、そして乃木坂としてある程度成功したこととその代償としてきた家族への想い、ものすごく複雑な感情が感じられた。彼女は故郷を離れて、それこそ意地で東京に出てきて、何のために上京してきたのかその目的や目標を見失うかもしれないギリギリの生活の中で、乃木坂46のオーディションのチャンスをつかみ、途中体調不良による活動休止を乗り越えて、今年、モデルやMC、いろいろな新しい仕事にめぐりあい、おそらく今まで自分で気付かなかった周囲からの評価を知り、充実して活動に臨んでいると思う。その幸運と頑張りといろいろなことへの想いが橋本奈々未の涙に詰まっているのだ。

 

実を言うと、昨年から乃木坂ファンになった自分は、若月のスキャンダル、謹慎をよく知らなかった。若月の生真面目なほどの乃木坂や舞台への取り組みはこのことがあったから、本当に心を入れ替えて活動しているのだな、と合点がいった。松村沙友里は時期といい、内容といい、乃木坂への影響は半端じゃなかったことは確かだ。それでも、握手会の売上、モデルとして、じょしらくの舞台も含め、言葉少なに頑張っているといってもいいかもしれない。彼女は辞めようとした挨拶のなかで、乃木坂にいたい、と言ったのは、いつかのプリンシパルでの生駒里奈が言った「ずっと一緒に頑張ってきたじゃんか」という言葉が松村沙由里の中に生きているからこそ、なのかと想像した。スキャンダルの弁明をラジオでおこなうときもそばにいたのは生駒里奈だった。たしか2~3歳は生駒里奈が年下の筈だが、やはり5枚のシングルのセンターを務め、AKB48との兼任で鍛えられた心の強さは、たぶん乃木坂の他のメンバーがもちえないものなんだろう。白石、堀、西野、生田とセンター経験者を増やし、西野七瀬という新たなセンターを育て上げた乃木坂46ではあるが、それでも乃木坂の象徴としてのセンターは成長した生駒里奈こそがふさわしいのかもしれない。

 

PS

 

一瞬、鳥居坂への堀の移籍がよぎったが、さすがに乃木坂のセンターをつとめたものを移籍させるわけにはいかないだろう。でもやはり一人も移籍なしというわけにはいかないだろう。引っ張る存在として、今の乃木坂アンダーからスキルがあるか、リーダーシップのとれるメンバーが必要とされるはずなのだ。NGT48のように。