ボクは将来先生になりたくて、
中学から外国語では有名な外国人経営の
私立校の受験をしました。
入学テストは面接だけ、
ボクと保護者である母が、
別々の部屋で面接を受けました。
受験したのは同じ小学校から同級生と二人だけ、
合格はボクだけでした。
戦後の食糧難の時期に、
教育に金をかける家庭は多くありませんでした。
金持ちの家であった訳でなく、
安給料の公務員(警察官)の倅でした。
面接は学問の話はなく、
にこやかに世間話をしただけの印象で、
何も覚えていません。
しかし、母親の面接の話を聞いて、
合格を納得しました。
「子供は学校の先生になりたくて、
大学まで通わせるつもりです。」
と答えてきた話を聞いて、
納得でたのです。
同級生の家庭は下駄の鼻緒つくり職人の家庭で、
この面接での答えは、
「義務教育の中学で終わらせる。」でした。
戦後三年目の話です。
食糧難で野菜と言えば、
野にある草で食べられそうな、
セリ、ナズナ・・・あとは忘れましたが、
野草を摘んできました。
当時、昼の弁当はサツマイモ2個。
お金持ちの息子は、弁当に銀シャリに梅干し、
それでも、彼は土足の床に米粒を落とすと、
汚れていることなど忘れて無条件で、
指でつまみ上げて口に入れていました。
そんな時代でした。
学校も授業料の心配があってか、
将来への収入を期待してか、
大学まで授業料を払ってくれる予定の
ボクを選んだように思えます。
何はともあれ、カトリックのイエズス会経営の、
私立校に入学できました。
やっと表題にたどり着きました。
中学は授業料が高いだけあって、
教える先生は有能な方が多く、
給料もたくさん必要であったと思われます。
英語は発音からアルファベットと、
当時NHKで英語教室を放送していた先生、
国語は早稲田大学の古典の教授、方丈記や、徒然草を。
漢文は南山大学中国語科の教授に長恨歌を。
美術、書道は二科展の審査員の先生方に絵、文字の書き方を、
音楽は作曲家の山本直忠氏に童謡を。
教わる生徒はそれなりの知識を得てきました。
その中に宗教の時間があったように覚えています。
そこで、主の祈りを英語で暗記しました。
キリスト教の日本における歴史なども教わりました。
豊臣秀吉によるキリスト教弾圧、踏み絵など、
26聖人の殉教なども教わりました。
また信者らは潜伏(別名「隠れ」)キリシタンとして、
長崎五島列島に多く住みました。
(三聖人の殉教の図)
それが今回「キリスト教交流史:宣教師が見た日本、アジアー」と題して、
日本最大級の本の博物館、
文京区の 東洋文庫ミュージアムで
開催されていたので、出かけました。
詳しくは、東洋文庫ミュージアムへ、
あるいはホームページへお出かけください。
入場料900円、65歳以上800円、大学生700円、
高校生600円、中学生以下無料です。
1階と2階に展示室があって、
2階への階段が急で登れそうもなかったので、
エレベーターは?と尋ねたところ、
丁寧に案内してくださり、
エレベーターで一人で行けたのに、
案内の方が同乗してくださり、
2階にたどり着きました。
「帰りはどうすれば?」の問に、
「警備員にお申し出ください」の返事。
帰りに警備員にお願いすると、
エレベーターまで案内され、
さらに1階まで案内されました。
1階出口で、前回展示の小冊子、次回展示の小冊子、
お土産などを様々な展示をぐるりと見て、
外に出ようとすると、
先ほどの警備員の方のお見送りを頂き、
大変恐縮しました。
今回ほど、自らの高齢を実感したことはありません。
有難うございましたと、
深々とお礼の頭を下げて帰りました。
(五島列島の教会1)
(五島列島の教会2)
フラッシュがなければ、写真撮影OKでしたので、
上の2枚にはボクの足が映ってしまいました。
社会に出て、議論をする場面に出くわすと、
キミは物事の考えがキリスト教的だ、と言われます。
どういうのがキリスト教的なのか分かりませんが・・・
その昔「隠れキリシタンの灯篭」について、
調べたことがあり、それをブログに載せております。
今でもそのブログは、よく読まれております。
キリスト教にご興味をお持ちでしたら、
ぜひご覧ください。
隠れキリシタンは今は差別用語になっており、
潜伏キリシタンといいます。
話変わりますが、おおかわさんはブログをお持ちと思いますが、URLを教示いただければ幸いです。
奈留島や久賀島の教会の写真、懐かしく拝見しました。
教会巡りを通じて、潜伏キリシタンへの厳しい弾圧の歴史を実感しました。
そして、明治に入ってからも、未だ暫くは弾圧が続いていたのを知り驚きました。
奥の細道の順序が違いますが、
今月金沢を訪問する予定です。
訪問結果をご期待ください。
うらやましい!
潜伏キリシタンの生活ぶりを探ってみたかったのですが、
今現在の体調では行けるかどうか疑わしいですが、
夢は持ち続けます。