楽しんでこそ人生!ー「たった一度の人生 ほんとうに生かさなかったら人間生まれてきた甲斐がないじゃないか」山本有三

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思い出のアルバム8-アウシュビッツ 2(ポーランドを旅して 4)

2021年06月26日 04時00分00秒 | つれづれなるままに考えること
(捕虜収容所の入り口)


(アウシュビッツ2)

アウシュビッツに到着して、
まずガイドの中谷さんをお待ちする数分の間に、
アウシュビッツ博物館と言う看板を見つけました。
ここが世界に名高い唯一
「負の世界遺産」として登録されている場所であることが分かりました。

(アウシュビッツ博物館の看板)

第一収容所の入り口に「働けば自由になれる」
鉄製の文字が見える。
この文字も収容所も全て収容され強制労働を強いられた
ポーランド人やユダヤ人によって作られたという。
その文字の「ARBEIT」の内
「B」の字だけ逆さまにしたのが収容された人達の
僅かな抵抗を物語ると言う。


(ARBEIT  MACHT  FREIー 「働けば自由になる」の看板)

修学旅行なのか、イスラエルの国旗を持った
ユダヤ人の少年少女の団体を、
あちらこちらで見かけた。

(イスラエル国旗を持った少年少女の一団)

収容者が銃殺刑になった場所で、
イスラエルの旗を手にした一団の
ユダヤ人の少年少女がうずくまっていました。
ガイドの話に聞き入り、
その子供たちの目が涙に潤んでいたのは、
とても印象的でした。
彼らの身内の祖父母がこの強制収容所で虐殺されたことに
想いを馳せてのことと思われます。
これらユダヤ人の一団とすれ違うときは、
緊張しました。
見学している内に、彼らの気持ちが高揚し
「何時暴発してもおかしくない」
そんな雰囲気を感じたのは私だけでは無かったでしょう。

(銃殺刑になった場所1/花が手向けられている)


(銃殺刑になった場所2/展示されている写真から)

収容所の中は、蚕棚とも思われるような
三段ベッドがびっしり置かれており、
一人で寝るのにはやや大きいベッドでしたが、
説明によれば、
そこに三人で寝たということです。
強制収容所から一人脱走すれば、
残った人が10人が処刑されるという仕組み。
しかもその処刑は、
食べ物を与えない刑だったといいます。



(収容所の暖炉の煙突)

(並ぶ収容所の建物)

(作業に出る前に座ったトイレの穴)

(列車から降りた場所に献花が)

インドのマハトマ・ガンジーは
絶食してインドの独立を勝ち取りました。
しかし、水は飲んだのです。

アウシュビッツの刑は
水も与えられなかったのです。

朽木のように
一人また一人と倒れていくと言う、
終戦でかろうじて生きながらえた
「聖母の騎士」コルベ神父の記述です。

コルベ神父は、選ばれた10人の処刑者の中に、

「妻や子ともう一度会ってから死にたい」

と叫んだ一人と身代わりになったのです。

一人また一人死んでいく様子を観ながら、
そして自分の意識がなくなり始めたとき、
終戦で救われた神父です。

後年長崎に「聖母の騎士」学校を設立しています。

アウシュビッツの有名なガス室では、
シャワーを浴びさせるといって、
部屋に誘導し、一日に千人を殺し、
オートメーションさながら、遺体を火葬する。

その設備を、収容された人たちが作っていた事に思いを馳せると、
いたたまれない気持ちになります。
作業に携わった人たちの心境はどうだったのでしょうか?
想像すら出来ません。

(右側のレンガ棟がガス室)

(ガス室へ送る人の選定)

一方で私たちの先輩日本人が、
アジアで同じように行った、
忌むべき出来事を思いおこせば、
私たちは彼らに、
どう償っていけばよいのか、
回答を見つけることが出来ません。

さらに、アメリカ人が広島、長崎に落とした原子爆弾の償いを、
今後、どのように国際社会に広げていけば良いのか?

また、イラク攻撃やイラクへの
自衛隊派遣が果たして正しかったのか?
戦場へ自衛隊員を送ることが正しいのか?

憲法改正の動きがあるが、
戦争を放棄した第九条をどう扱うのか?
私たちに残された課題は大きい。

終戦後、アウシュビッツで虐殺された人の数150万人の
約1割が処刑されないで生き残った人がいたことで、
全貌が明らかになりました。

同じ人間がどうしてこんな酷いことが出来たのでしょうか?
組織の中にいると善いことも、
悪いことも麻痺してしまうのでしょうか?

いろいろ考えさせられる今回の旅でしたが、
豊かで平和な日本にいて、忘れかけていた

「どんな理由があろうとも、戦争は避けなければならない」

の認識を新たにした旅でした。

(ポーランドは終わり、
アルバムにあった写真はすべて破棄しました。)
コメント (10)
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