ひだまりクリニック~産んだ後にも母親学級~

杉並区で小児科医がひらいている母子で集えるクラスです。

成人MMRワクチンの接種を開始します

2013-08-01 00:02:03 | クリニックからのお知らせ

個人輸入を決めて手続きをしていましたが、MMRワクチンが手元に届きました。

国産のMRワクチンは麻疹と風疹の混合ワクチンですが、MMRワクチンはさらにおたふくかぜの免疫もできます。

将来の先天性風疹症候群の赤ちゃんが産まれることを予防するためにMRワクチンを成人にしてきましたが、7月に入り、

国産のMRワクチンが入手困難になってしまいました。

希望者がいて、接種したいのに、ワクチンそのものがない。

そして、このワクチンは1歳の子どもには早めに接種したいものであり、子どものためのものがなくなるのは何としても避けたいのです。

ですから、希望者に接種するために個人輸入することに決めました。

助成は国産ワクチンに対してのみですので、今まで通り助成の対象者には国産のMRワクチンを使います。

それ以外の方にはMMRワクチンをお願いすることになります。

ただし、MRワクチンの入手がスムーズになった段階で、どちらにするか選択していただくということになります。

MMRワクチンは海外で広く使われている効果的で副反応もMRワクチンと同等であるとされています。

以前日本で認められていたものの、結局おたふくかぜの株のための無菌性髄膜炎が原因で接種が停止されたMMRワクチンとは

おたふくかぜの株が異なっていて、異なるMMRワクチンです。

ただし、ここが問題ですが、

個人輸入のMMRワクチンは日本で承認されているものではありません。

そのために、可能性はひくいですが、副反応が起きても補償されるのは非常に難しいことです。

これは、去年不活化ポリオが承認されるまでに、個人の判断で有料で接種した不活化ポリオのときも同じでした。

日本で承認されていないワクチンでしたので。

個人輸入で接種されていた不活化ポリオは、承認されたものとまったく同じですが、

承認され定期接種されたものには定期接種の補償がありましたが、個人輸入のものには補償がありませんでした。

(厳密にいうとないわけではないけれど、とても手続きが煩雑で裁判になるということでハードルが高く、実質の額も低いものでした)

ですから、MMRワクチンの接種する際は、そのことを了解していただきお願いします。

 

本当は、全体の免疫をあげないと、今回の流行が収まったとしても同じような問題が再発する恐れは高いままでしょう。

ですから、今大人になっていて免疫のない人たちに麻疹と風疹の免疫を持てるようにしていくということをしないといけないのです。

なんらかの方法で、もっと日本の将来安心して出産できるように、子育てできるように、しっかり国民に説明して

接種を勧めて欲しいと思っています。

今は、一部の医師が見かねて接種を進めるために個人輸入をしているということなのです。

 

国産のMRワクチンの価格は10500円です。

個人輸入したMMRワクチンの価格は7000円です。

ご希望の方はご予約ください。

電話:03-3315-0217

メール:hidamarisalon☆ybb.ne.jp ☆→@

妊娠中女性のパートナーの助成は9月30日までです。

妊娠希望の女性の助成よりも期間が短いです。

ご注意ください。

 

なんだか、暗い気持ちで書いています。

なんとなく、すっきりしないというか・・・

どうして、国はもっと生まれてくる子どもの命と健康を大事にしてくれないのでしょう。

このままでは、流行がだらだらと続くか?一時よくなっても、またいつか流行してしまうか?

これは誰にもわかりませんが、できることがあるのに・・・とどうしても思ってしまいます。

不活化ポリオのときといい、今回といい、どうしてこのようなことが繰り返されるのでしょう?

今までの定期接種の制度の不備は仕方ないことです。そのときの判断で、その後わかることもあるからです。

この風疹問題で後でまちがっていたとわかったことは、最初に定期接種開始時の対象者を思春期前の女性のみとしたことでしょう。

こうした国は何カ国かあったし、あとになってわかることもあるので仕方ないことかもしれません。

けれど、この男性の接種がされてない世代を長年作り続けて放置というのは、それが間違った方法だったとわかった後でも続けているのは

困ったことだと思います。

現実に起こってきたことは、先進国にはあり得ない数の風疹発症数と先天性風疹症候群の赤ちゃんの出生数です。

両方とも、ダントツでぶっちぎりに桁違いの一位なんです。

今日本は、外国から渡航危険の国とされています。

こんなこと(仕方ないから個人輸入)、こんな小さなクリニックでさせないでほしい・・・

そう思って暗くなってるのです。

なんだかな・・・って思ってるのです。

もちろん、自分の決断でしたことですから、その行為には納得してるんですけれど。

本当なら、国がワクチンの確保をするべきではないでしょうか?

もっと、きちんと国民に説明して接種しましょうというべきなのではないでしょうか?

本当は接種すべきなのです。

ワクチンが少ないから言えないのです。

それをいうと、また新型インフルエンザのときのようにパニックになってしまうからでしょうか・・・

このことは、やっぱりため息・・・

 

私は自分の立場でできること・正しいとおもうからやるべきと思うことをやっていくのみ、だと思っています。

 

 

 

 


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