矢野(五味)晴美の感染症ワールド・ブログ

五味晴美の感染症ワールドのブログ版
医学生、研修医、医療従事者を中心に感染症診療と教育に関する情報還元をしています。

ベストセラー「ルポ 貧困大国アメリカ」 堤未果 著のご紹介

2010-01-11 22:19:21 | Weblog
ご存知の方も多いかもしれませんが、2008年1月発刊で、30万部のベストセラーとなった、岩波新書の「ルポ 貧困大国アメリカ」堤 未果著をご紹介します。

書店で少しだけ立ち読みしたことがありましたが、今回、堤氏のご主人の国会議員の川田龍平さんの著書がきっかけで、ぜひ読んでみたいと思い、このたび、ようやく読みました。

内容は、非常に丁寧に詳細に取材した9.11以降の米国事情です。特に「貧困」という切り口から米国、そして全世界に起こっている「人間の尊厳」「人権」「生存権」が脅かされるほど深刻な事態となっている「資本主義力学」「格差社会」「貧困ビジネス」「貧困による戦争ビジネス」などが深い洞察のもと書かれています。

弱肉強食のシビアな米国社会の実情を私も実際に体験してはいますが、やはり、それ以上の過酷な現実、人権を無視した戦争ビジネスなどは存じませんでした。

世界がおかれた現実をより深く理解するために、必読書と思いまして、ご紹介させていただきます。ぜひ、読んでみてください。

サービスを超えるサービス

2010-01-11 13:08:13 | Weblog
本日は、やる気まんまんで仕事モードになっており、もうひとつどうしても皆様とシェアさせていただきたいことがあり投稿させていただきます。

(下記、長文です)
この週末、家族の大切な記念、お祝いなどが3つ重なりまして、家族ふたりで、一生に一度は行ってみたいと思っておりましたホテルのレストランで食事をしました。

ミシェラン東京でも、5つ星ホテルとして知られる世界の高級ホテルチェーン、マンダンリン・オリエンタルにはじめて行きました。

雑誌や写真でその洗練された内装から、ちょっとひとりでは入れそうにない雰囲気で、やはり緊張しましたが、そのこころのこもったきめ細かいサービスに、本当に感動し感銘を受けました。

以前、ビジネス関係の夏セミナーで、リッツ・カールトンの高野社長のご講演や著書「サービスを超える瞬間」を拝見したことがありまして、人に喜びを与えるということがどういうことなのかを勉強したいと思ったことがありました。それがきっかけで、2007年に、サービスに関するインストラクター養成コースというのを受けました。

ホテルでのサービスの基本精神を教えていただいていたので、裏事情を理解したうえで訪問した形でした。

マンダリン・オリエンタル東京、やはり、その洗練されたサービスはすばらしかったです。私たちは、マンダリンオリエンタルなので、やはり食事はチャイニーズと思い、チャイニーズのレストラン センスというところに行きました。一生に1回ぐらいはこういう日があってもいいよね、ということで。

予約するときに家族のいろいろな記念が重なっていますので、とひとこと添えていました。家族への感謝と御礼をこめてなにかサプライズを、と思っていたのです。

コース料理を頼みましたが、お料理が出てくるタイミングは、やはりかなり計算された絶妙のタイミングで来ます。(つい日頃の習慣で、私たちはかなり速いペースで食べましたので、もう少し時間をかけたほうがよかったです。)

ひととおりコースが終了したときに、マネージャーの方がやってきまして、丁寧にお料理の内容のことを聞いてくださいました。その後、コースとは別の特別なデザートをご用意くださり、プレートに、ろうそくが灯り、英語と中国語で、記念のことばがデザインされていました。これは、サプライズでした。

さらに、チェックを済ませた後に、またマネージャーの方がやってきて、おみやげにチャイニーズの冬用のお茶(とてもフルーティなオリジナル商品だとか)をいただきました。

自分がいただいたサービスを表現するのは難しいのですが、やはり、「こころに寄り添う」ことが、人が喜んでくださることなのかな、と感じます。

これまで、普段の仕事上接する患者さんの気持ちはなかなか理解してあげていなかったことを、昨年自分が患者になってはじめて実感した経験もありました。

医療でも、ホテルでも、レストランでも、人間が生きていくうえで、「人のこころに寄り添った」サービスが、人を感動させ深い共感を生むのだ、と体感した日でした。

ご多忙中、長文お読みいただきましてありがとうございました。

目標達成セミナーに参加しました。

2010-01-11 10:59:43 | Weblog
私は、数年前から、ご縁があり、女性起業家、女性のキャリアを支援していらっしゃる朝倉千恵子先生のセミナーに時折、参加しております。

さまざまな自己啓発、営業、企業、ビジネス関連のセミナーが世にあふれていますが、ここ数年毎年参加させていただいている朝倉千恵先生のセミナーではいつもパワーとエネルギーをいただいております。

目標を立てて実行する、目標を実現する、ということは、多くの方がやってきていることだと思うのですが、この「あたりまえのこと」を「あたりまえにする」ことがいかに難しいか、ということも世の常、だと思います。

そういう意味で、年明けのセミナーでこころの整理と自分にとって大切なことの整理と優先順位をつけるという作業はとても重要です。

私は、今年、潜在的には思っていたことなのに、口に出して言ったことがなかった目標が明確になりました。その意味で、とても有益な時間と空間をいただいたセミナーでした。

もし、ご興味がござましたら、下記のサイト、本などをご参照ください。

http://www.asakurachieko.com/

http://www.shinkikaitaku.jp/

私は、朝倉先生の数年前の著書 「初対面の1分間で相手をその気にさせる法」という本を、帰国途中の成田空港で見つけたことが出会いのきっかけでした。人とのご縁は摩訶不思議です。


EM Alliance 救急医療のメーリングリストのご紹介

2010-01-11 10:58:05 | Weblog
救急医療にご興味のある方、当直などで救急医療をされている方向けの情報です。

下記、現在、聖マリアンナ大学で救急、集中治療をされ、北米などへの臨床留学をサポートしている野口医学研究所のアラムナイでご活躍の藤谷茂樹先生からご紹介いただきました。


現在ハーバード大学の関連病院であるMGH(マサチューセッツ総合病院)で研修をしている長谷川耕平先生らが中心に立ち上げたEM Allianceという若手救急医の集いが立ち上げられています。(同、米国で救急医療をトレーニングされている)志賀隆先生もコアメン
バーです。


http://www.emalliance.org/wp/

2010年2月13日にEMAの集いが名古屋であるそうです。
(上記、トップページ参照ください)

このEM Alliance (Emergency Medicine Alliance, ”救急医学同盟”仮訳)
は、IDATENの皆様に、ぜひ、ご支援いただけたら、と存じます。

そして、藤谷茂樹先生らが立ち上げられた集中治療のメーリングリストJSEPTICは、コラボレーション、支援されるそうです。

質の高い診療、標準的な診療の浸透などに有益な情報だと思っております。
ぜひ、ご活用ください。

急性胆道系感染の国際ガイドライン Tokyo Guidelinesの検証研究につきまして

2010-01-08 15:38:51 | Weblog
表題の臨床研究へのご協力のお願いです。

私も本臨床研究班の一員として2008-9年度、ご関係者の先生がたと
ご一緒させていただいております。

本研究は、2007年に日本から、東京での国際コンセンサス会議を経て、公開・発表されました、国際ガイドライン:急性胆道感染のガイドラインTokyo Guidelinesの検証のための前向き観察研究です。

本臨床研究のホームページ(日本語と英語)
http://class.umin.jp/

Tokyo Guidelines の無料公開サイト
http://class.umin.jp/tokyo-guidelines.html

ガイドラインで、急性胆管炎に関しまして、「診断基準と重症度の判定」に関し、その妥当性を検証していく国際研究です。登録がようやく本格稼動しはじめたところでございます。今後、数年をかけて、検証研究をしていく予定となっております。
検証研究をもとに、Tokyo Guidelinesの改定等も考慮されております。

ご協力可能な施設の先生方は、よろしければ、上記の研究専用ホームページより
お申し込みくださいますようお願い申し上げます。詳細につきましては、本臨床研究の事務局のほうで、ご説明させていただくことになっております。

本メールは、転送可能でございますので、お知り合いの先生がたなどで、
ご協力可能な先生がたにお知らせいただけますと幸いに存じます。
よろしくお願い申し上げます。

(研究専用のホームページより)
本研究は急性胆管炎の診断基準と重症度判定基準を日本および海外の臨床側から検証し、新しい基準を作成することを目的としています。
ぜひ、国際的な新基準作成に向けて、胆管炎症例データ登録をお願いいたします。
諸先生方のご協力を心からお願い申し上げます。

尚、本研究は2008、2009年の厚生労働科学研究として行われており、2009年にUMIN(University hospital Medical Information Network)登録された前向き臨床研究です。

2009.07.01
CLASS Tokyo study 実行委員会
厚生労働省科学研究費補助金
地域医療基盤開発推進研究事業
日本肝胆膵外科学会
日本腹部救急医学会
日本外科感染症学会
日本胆道学会


ヨーロッパ医学教育学会 AMEE

2010-01-08 13:37:06 | Weblog
ヨーロッパの医学教育学会AMEE というのがあります。

こちらは、私は2007年から2年間、学会発表したり、ワークショップを主催するグループに入れていただいたりしました。

今年は、とうとう会員になる決意をして、医学教育を真剣に専門的に学びたいと
思っています。

http://www.amee.org/index.asp?tm=22&cookies=True

ヨーロッパ臨床微生物学感染症学会 ESCMID

2010-01-08 13:34:31 | Weblog
ふだん、あまり触れることがないのですが、つい最近、ヨーロッパの学会に2つ入会しました。

ひとつが、
ヨーロッパ臨床微生物学感染症学会 ESCMIDです。

年次総会が、下記で、ECCMIDといいます。
今年は、オースロリア ウイーンで、2010年4月10-13日開催です。
http://www.congrex.ch/ECCMID2010/

日本内科学会関東支部セミナーのお知らせ

2010-01-08 13:22:09 | Weblog
日本内科学会関東支部会では、下記のように若手医師によるセミナーを開催いたします。

ふるってご参加ください。


日程 2010年6月26日(土)16時から18時
場所 東京都文京区本郷 日内会館

内容 若手医師による思考プロセス共有型感染症ワークショップ

総合司会     自治医科大学感染症科 矢野(五味)晴美
ファシリテーター 自治医科大学総合診療部 武田孝一

このセミナーは、日本内科学会の会員および興味のある研修医、学生を対象に、教育的症例を深く掘り下げ、鑑別診断の立て方、臨床判断の仕方などについて、参加者とその思考プロセスを共有することを目的としています。

ふるってご参加ください。

会場準備などの関係で、事前登録していただけると幸いです。


申し込み、お問い合わせ先
社団法人 日本内科学会
橋立安雄
〒113-8433
東京都文京区本郷3-28-8
TEL:03-3813-5991 FAX:03-3818-1556
E-mail: y-hashidate@naika.or.jp
HP: http://www.naika.or.jp



映画DVD The Bucket List 「最高の人生の見つけ方」を見ました。

2010-01-03 15:29:57 | Weblog
今年のお正月は初めて栃木で迎えました。年末に家族で和歌山の両親と過ごし、私はトンボ帰り、家族はそのまま滞在しています。

DVDをレンタルしたこともなかったのですが、このたび初めて借りました。

The Bucket List (直訳では棺おけリスト)
邦題「最高の人生の見つけ方」2007

を見ました。

末期がん患者2人の友情を通し、やりたかったことを残された時間で、思いっきり実行する、という内容です。とても深みがある映画でした。

人間、いつでも、すべてのことは選択できる、いつからでも開始できる、ということを教えてくれる映画だと思いました。

旅行好きの私は、まだまだ行ってみたいところがたくさんあります。

オーロラを見てみたい、流氷を見てみたい、アンコールワットを見てみたい、
もう一度、世界一周の船に乗ってみたい。。旅行でなく、一度は途上国にも中長期的に住んでみたい、などなど。

自分が生きている間に、宇宙旅行が一般化するでしょうか~。みんなが旅行できる時代になったら、ぜひ、大好きだった天文学などを勉強して、宇宙旅行もしてみたいです。


参議院議員 川田龍平さんの著書 「誰も書けなかった国会議員の話」

2010-01-01 13:47:39 | Weblog
年末に新幹線での移動中に購入し読んだ本です。

川田龍平著 「誰も書けなかった国会議員の話」 PHP新書 720円

川田さんは、19歳のときに、血友病に対する血液製剤使用による薬害エイズ被害者として実名公表し、国を相手に裁判した方で、現在、参議院議員、33歳の方です。

国会議員の方の生活や仕事がどのようなものか、市民の目で、わかりやすく書かれています。とても誠実な内容で、国の政治に国民がもっともっと参加してほしい、との切なる願いがつづられています。

国のあり方として、日本の根幹にあたる政策や法律の決定が、十分な議論もされずに、スルーで可決、国会通過している状況などが記載されています。

議員のブレインともなる秘書やそれにかかわる支給経費が日本では少ないため、米国や韓国などに比べ、十分な現状調査ができないという状況も書かれていました。この点については別の議員の方も同様の内容を発言されていたのを聞いたことがあります。予算配分の問題でしょうね。必要なところに十分なお金とマンパワーをかける仕組みが必要です。

川田さんは、自身の薬害エイズ体験をもとに医療政策にもっとも関心があるそうなのですが、医療現場の実情は、本書を見る限り、現状認識されていない面もあり、この方のような熱意と情熱のある議員の方に、日本の医療現場の真の問題点を正確に認識していただけたら、と切に思いました。

是非、読んでみてください。

私のビジョン 2010

2010-01-01 13:40:58 | Weblog
平安
挑戦

チームワーク

2010年は、平安で、健康で、穏やかな一年にしたいと感じています。

仕事面の新しい挑戦では、在米中からとても興味のあった医学教育学について専門的に勉強する決意を固めました。ティーチングスキルを磨くこと、新しい教育手法を学ぶこと、新しいカリキュラムの開発と評価、新しい研修プログラムの開発と評価、新しい教育セミナーの開発と評価と、それをリサーチレベルでおこなう手法などを学びたいと考えています。教育学リテラシーを持つ、ということを目標にしています。

臨床面では、初期研修医・後期研修医の教育に関し、志を同じくする者で、新たに総合内科・一般内科診療などの教育・研修を提供する予定の病院のお手伝いをすることを考えています。標準化した感染症診療を提供できるようなシステムつくりもできれば、と考えます。日本の医療現場にしっかりと根付く診療と教育基盤を築きたいです。それには、現場力とチームワークが不可欠であることをこの5年間で学びました。

リサーチ面では、昨年提出した文部科学省や厚生労働省の科学研究費に応募した内容で、少しずつでも進めたいと考えています。採択の可否はありますが、自分が情熱をもって取り組みたいと思う内容を実現することに近づけば、と思っています。

個人としては、友人とのコミュニケーションをこれまで以上に大切にし、ネットワークを維持したいと思います。グローバルなネットワークを維持することで、暖かさと刺激を常にもらっています。

また生活の基盤である家族は、なによりも大切にしたいと感じています。

今年も、皆様にとりまして、幸多きよい一年となりますようお祈り申し上げます。