矢野(五味)晴美の感染症ワールド・ブログ

五味晴美の感染症ワールドのブログ版
医学生、研修医、医療従事者を中心に感染症診療と教育に関する情報還元をしています。

メロペネムの適応と用量が新しく承認されました。

2010-01-20 21:41:29 | Weblog
以前からの懸念でありました、メロペネムの用量ですが、

適応は、好中球減少時の発熱 neutropenic feverですが、
1回1g を8時間ごと(1日3 g)の諸外国と同様の用量が承認されたそうです。


少しずつですが、用量が諸外国と同様になることで、患者さんへのメリットは大きいと感じます。

用量の問題が依然残っているのは、
アンピシリン・スルバクタム(ユナシン)1回3gを6時間ごと
 1日12gが世界80カ国などでの標準量です。

セファゾリン 1回1-2gを8時間ごと(1日6g, 保険用量5gまで)

が代表です。

未承認の最重要抗菌薬が、
ナフシリンやオキサシリン(このどちらか一方は必要)

メトロニダゾールの静脈注射

これらがすべて解決すれば、国内の抗菌薬のavailability、選択肢は、少なくとも2000年ごろに比べ、大きく改善されると思います。

加えて、適正使用が推進されることが必要となります。