矢野(五味)晴美の感染症ワールド・ブログ

五味晴美の感染症ワールドのブログ版
医学生、研修医、医療従事者を中心に感染症診療と教育に関する情報還元をしています。

e-learningの国際シンポジウムに参加してきました

2012-01-21 23:27:13 | 医学教育
今日は、雪が舞うなか都内で開催されたe-learningの国際シンポジウムに参加してきました。オランダのプロジェクトをなんとしても週末に仕上げたいと思い、参加するかどうか直前まで迷いましたが、思い切って参加して大きなリターンを得ました!

Digital-nativeな世代は、85年以降ぐらいに生まれた世代ですが、私は、20代後半のときからインターネットが普及してきたので"border line"世代ではないかと自分なりに思っています。

2000年のLondon School、2002-3年のJohns Hopkins、そして現在のdistance-learningの
Maastricht Universityで自分自身が受けている教育は、教育コンテンツをdigital fileですべてsaveできるので学習記録としてもportfolioを自分で構築できます。Hopkinsのときのmaterialは、PDF fileですべて持っているので特にbiostaticsなどは頼りになります。

Maastrichtでは、今年からe-learning, interactive sessionとしてQ&Aのセッションが各Unit につき2-3回あるのでとてもためになります。参加できなかった人のためにすべてのやりとりが記録・録画され、いつでも後日linkから再生できるので復習にも役立ちます。

国内でもこのような教育コンテンツのdigital化、自分の学習記録としてのe-portfolioの利点を学生さんなどに提供したいと切に思っています。

医師としても、自分の専門医更新時期と更新試験受験資格のために必要な生涯教育プログラムや時間数がe-portfolioとしてAmerican Board of Internal Medicine (ABIM)の
サイトで自己管理できるので、非常にパワフルで助かります。

日本の学生、研修医の方向けに、自分の臨床能力を自分で管理するシステムをぜひ今後取り入れていきたいと思っています。

また今日の耳よりの情報は、有益な医学教育に関連するサイトを教えていただいたことです。

1. MedEd Portalという教育コンテンツの共有サイト(米国AAMC)
医学教育の教材を世界中で共有しているサイトです。質の保証のためpeer-review制度をクリアした良質のものしか掲載されていません。

https://www.mededportal.org/

2. 講演などで使用できる写真、イラスト、ビデオなどのストックサイト

istockphoto.com

3. 著作権に関して、著作権ありとpublic domainの中間ぐらいに位置する
"Creative commons"という考え方

www.creativecommon.org

4. 病理コア画像のサイト
典型的な病理所見を共有できる教育サイトです。

http://jsp.umin.ac.jp/corepictures2010/