矢野(五味)晴美の感染症ワールド・ブログ

五味晴美の感染症ワールドのブログ版
医学生、研修医、医療従事者を中心に感染症診療と教育に関する情報還元をしています。

ACGME Internatinal 導入中のシンガポール:臨床研修の世界標準化の動き

2011-01-31 12:34:03 | シンガポール便り
先日、Asia Pacific Medical Education Conference APMEC という学会に初めて参加しました。医学教育の学会は、AMEE (ヨーロッパ医学教育学会)が、現在、最大かつ
世界のリーダーシップを取る役割を担いつつあります。
(米国の医学教育学会AAMCは、主としてDeans’ conferenceだそうで、米国内のpoliticsばかり?という評価もあり、国外の話題にはほとんど興味も示さないとのことです)

APMEC
http://medicine.nus.edu.sg/meu/apmec8/

AMEE
http://www.amee.org/index.asp?cookies=True

AAMC
https://www.aamc.org/

学会期間中に、Hopkins時代の同級生が数名、組織の中枢にいるので、
Duke-NUS, などをはじめ、新設の病院などを見学させていただきました。
http://www.duke-nus.edu.sg/web/index.php

シンガポールの病院は、5-6箇所teaching hospitalがあるそうですが、
すべての病院で、すべてのspecialtyで、ACGME-Iのaccreditationを受ける準備をしているそうです。UKシステムから、USシステムへの移行の過渡期で、大変だそうですが、それでも、positiveに、シンガポールの国家の発展のために、
かなり強力に進んでいる印象でした。

シンガポールの新設病院も見学しましたが、まさに、
”勤勉で器用なアジアカルチャー”+ ”欧米の体系的システム”=”世界最高の診療+教育”

のような印象を持ちました。



ACGME-I導入に関して、印象的なのは、やはり、彼らにとっても、US-basedのシステムが、シンガポールのアジアcontextに合わない点もあるため、議論を重ねている点です。現場の混乱や、facultyらの混乱も大きく、今後、どうなるのか、といった声も聞かれましたが、推進しているのは間違いないです。

マレーシアもJohns Hopkins大学との合同医学部が誕生しており、
今後、アジア圏内で、日本が医学教育、卒後教育の質の向上、教育方法の進化の面で、”missed the boat" という状況にならないように、情報収集すべきと実感します。

百聞は一見にしかず、一度、シンガポールの大学・病院も見学されることを
皆様に、お勧めします。ちょうど日本からもどこかの病院の関係者が10名ぐらいのグループで見学されていました。