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矢野(五味)晴美の感染症ワールド・ブログ

五味晴美の感染症ワールドのブログ版
医学生、研修医、医療従事者を中心に感染症診療と教育に関する情報還元をしています。

学会1日目 Reunion、発表

2013-01-19 06:05:09 | シンガポール便り
昨日の学会1日目は、Maastricht UniversityのMHPEのクラスメートの多くに再会できて、感激していました!

再会記念の写真をたくさん撮りました。facebookに掲載してみんなとシェアしています。

発表も、今年からbest abstract以外のポスターはすべてe-posterになり、先進的なこころみになっています。

発表する側も、座ってほかの演者の発表を聞けるので、助かっています。ポスターの持参もないので、フライトでの荷物もなくてラクでした!

Keynoteの講演は、どれも圧巻といえる素晴らしい内容とプレゼンテーションで、非常にinspiringでした。

スタンディング・オベーションをしたいくらいの質でした!!

学会の休憩時間には、有益な再会、コラボレーション、名刺交換をかなりの方と行いました。

夜は、conference dinnerで、学会10周年記念の楽しいイベントが続きました。

その後、地元の友人ふたりと再合流して、マーライオンを見に行きました。

シンガポールスリングを、ベイエリアのホテルで飲みました~。


e-learningのワークショップに参加しました。

2013-01-17 16:12:41 | シンガポール便り
今日は、午前中にe-learningに関するワークショップに参加しました。

このセッションは、Maastricht大学 MHPEのクラスメートがインストラクターで、昨年のAMEE 欧州医学教育学会でも素晴らしいセッションをしていたので、ぜひ参加したいと思っていました。

クラスメートの活躍は、非常にうれしいし、セッション中にも元クラスメートとして紹介してくれたりしました!仲間との再会とアカデミックなコラボレーションはありがたい限りです。

ランチを食べているときに、マレーシアの大学で、Educational Scienceをしている方と友達になりました。米国のレジデント3年目の98年にAway-electiveとして、2週間、母校の恩師が衛生学でしたので、そのご紹介でマレーシアの保健医療を見学したことがあります。現地で家庭訪問したり、現地の学生さんのフィールドワークに同行させてもらって、Dengue デング熱の対策の実践を見せてもらって感激したことなどをお話しました。

ランチタイムも、何気ない世間話から、いろいろなネットワーキングになり、楽しいです。

今回は、日本から合計12名の参加(全参加者は700-800名)ですが、数名の方にランチタイムにお会いできました。

欧州医学教育学会AMEEは、毎年参加者が増え続けており、昨年4000名ぐらい(うち、400名がタイから参加)です。
昨年はポスターの採択率は非常に厳しく6割?か5割ぐらいだったそうです。2つ採択していただいたので励みになりました。
今年も3月12日が締め切りなので、2つぐらいabstractを出したいと思っています。


日本感染症学会が参加者数が2500名ぐらい?と確か伺いました。日本環境感染学会は、4000名ぐらい?(看護師さんが多数ご参加)の参加者数だそうです。

米国感染症学会IDSA が5000-5500名ぐらい、米国微生物学会 ICAACは 12,000名ぐらいの大きな学会です。
両方ともabstract 採択率は5-6割なので、厳しいですが、quality controlがきちんとpeer-reviewで確保されています。

午後はホテルに戻り国際学会の仕事をしていましたが、さきほど終了しました。やってみてよかったです!
無事に終了して、ほっとしました。

これから感染症関係の現地の方とお会いする予定です。

現地の私の友人や知人が協力してくれて、2年前ぐらいに感染症の臨床見学をこちらでして、今月から2回目の臨床見学をしている方がいらっしゃるのですが、その方らとお食事会の予定です。。

APMEC 2013 Pre-conference workshop

2013-01-17 00:45:13 | シンガポール便り
16日は、学会1日目。Pre-conference workshopがありました。

私は午前中はホテルで仕事をしながら過ごし、午後からのワークショップに同行しているレジデントの方と一緒に向かいました。

本当にうれしかったのは、学会で、Maastricht 大学 MHPE 2010-12のクラスメートたち数名にさっそく再会できたことです!

facebookに掲載しましたので、ご覧くださいませ。。To see is to believe.



Workshopは、本当に素晴らしくて、参加して本当によかった!!!と心の中で何度も叫ぶぐらいの質と内容でした。

自分だけで勉強するのは難しいので、こういうサマリ的なセッションは、意図的に参加することを選択しています。

インストラクターが、カナダの方で、Dr. Brian D. Hodgesという先生で、セッションの進め方も、すばらしく今後の参考にさせていただけるものでした。

EducationのPh.Dをお持ちの精神科の先生でしたので、話し方、話すスピード、セッションのinteractiveな間の取り方、ロールプレイングの巧みな取り入れ方、など圧巻と感じる進め方がいっぱいでした。

Qualitative researchを今後、自分のPh.D projectでは、メインに施行する予定のため、hands-on-learningであるセッションで、やり方の基本を身につけたいと思っていましたが、自主学習するための基礎は十分に習得することができたと思います。

同じグループだったサウジアラビアの医学部長?ぐらいの方とも意気投合して、楽しい午後でした。

夜は、予定していたMBS Marina-Bay-Sandsで食事して、57Fの屋上から夜景を見ました。毎週水曜日、女性に限り、フリードリンクがもらえるそうで(確か昨年もフリードリンクをみんなでもらいました)、フルーティーな高級White wineをいただいて、楽しかったです!

明日は朝からワークショップ、午後は、Singapore General Hospitalの感染症部門のHeadの方とお会いする予定です。リサーチにご協力いただいているので御礼とface-to-faceのnetworkingの目的です。Face-to-faceの時間が、信頼関係を維持し、いざというときにemailでもお願いしやすい状況になります。ネットワークの維持も、グローバル世界では必須のスキルのひとつと思っています。




MBS, MBA, Pandas, White, Tigers, Future TEME projects

2013-01-16 11:48:02 | シンガポール便り
シンガポールの日程開始しました。

今回から、mobile deviceがMBA (Mac Book Air)になり、ファイルが開けないなどのトラブルがないことを祈りつつ仕事しております。

今日は、学会ワークショップ終了後、船がホテルに乗っかっているシンガポールのシンボルになりつつある、MBS (Marina Bay Sands)で友人と合流予定です。

昨日の15日の早朝、On-timeでLandingして非常に快適にスケジュールを開始しております。

現地の親友ふたりと午後、合流し、さっそく二人のエスコートにより、昨年11月に中国政府から送られたパンダを見に行くことになりました。

ふたりのうちひとりはHarvard-Macy-Instituteの同窓で、非常に仲良くしていただいており、昨年は別の日本人の先生で、カリブ海の医学部の医学部長である方と4名でご一緒させていただいたご縁で、今年も再会を楽しんでおります。

Department Headぐらいの重職の方にも関わらず、私との時間を確保するため、"Quite busy"と笑いながらも、ビジネスアワーを割いてくださるご好意に本当に感謝しつつ、
楽しいひとときを過ごしました。

日本人や日本文化にとっても興味があるお二人で、毎年1回は日本の旅行をされており、日本語も簡単な単語は話してくれるし、日本の政治についても、安倍内閣についてさっそく話題にのるくらい
見識の高い方々です。

生まれて初めて、Liveで、パンダを見ました!さらにwhite tigerも遺伝子的に1万頭に1頭の確率だそうですが、同じ先祖をもつ子孫である2頭を見ました。本当に白色の虎で、川を泳いでくれて、
楽しませてくれました。

シンガポールは、コスモポリタンな社会なので、レストランの種類も非常に豊富ですが、あえて、シンガポールにユニークなお店に毎回、連れて行ってくれています。

私も、日本好きで日本文化を私よりもよく知っているような二人に、どんなお土産を持参しようか、迷ったあげく、彼らが知らない珍しい日本の和風タオルと、緑茶を持ってきました。
ハードルの高いお土産探しでしたが、意外にも、JR東京駅で偶然見つけたものを購入しました。


パンダとWhite tigersの写真と動画を、お二人のたってのリクエストのため早々にuploadしました!

皆様にもぜひ、お楽しみいただけますと幸いです。


https://www.facebook.com/harumi.gomi



帰り際に、facebookを通して、彼らが知っている私の英語による医学教育プロジェクト(TEME, Teaching and Learning Medicine in English)

について、今度、彼女がコラボレーションしよう!と提案してくださいました。

個人的な友情や信頼関係には、人種、文化、国籍、言語などはほぼ無関係な時代になっていますが、個人としての信頼関係から、仕事上でも非常にありがたい、インパクトの大きいコラボレーションに発展する可能性を実体験し、とってもうれしいです。

今日は、これから質的研究に関するワークショップに参加して、しっかり今後のリサーチの糧にしたいと思っています。

私は18日にe-posterの短いoral presentationがありますが、その準備を抜かりなく行い、インパクトの強いよいプレゼンテーションに仕上げたいと思っております!





ポスター発表とネットワーキング

2012-01-13 23:46:20 | シンガポール便り
今日は、学会本会第一日目でした。昨日まで2日間にわたりpre-conferenceワークショップに参加していましたがとても有意義でした。

私のポスター発表は1日目でしたので前日に内容を確認して短いプレゼンテーションの準備をしました。やはり周到な準備をすると考えがまとまって、無駄がないプレゼンテーションができると思いました。






幸運でしたが、自分が取り組んでいる別のプロジェクトに近いテーマの発表が同じグループ内でありヒントをいただきました。

そのほか学会で再会できた人、新しく知り合った人、AMEE 欧州医学教育学会で顔見知りになり今回、交流が深まった人などいろいろでしたが将来的なコラボレーションや問題点のシェアなどポジティブなインパクトははかり知れない印象です。今回もこの学会に参加できてとてもよかったです。





中国からの参加者の人とバスが隣になり、さっそく習っている中国語を試してみました。
Native speakerに四声を直されましたが、なんとか通じたようでした。

観光も地元の友人のおかげで昨夜はナイトサファリに連れて行ってもらいました。エンターテイメントも楽しいですね。









シンガポールを満喫しています。

2012-01-12 10:13:54 | シンガポール便り
一昨日は少し休憩して、午後の開き時間に市内観光、昨日からワークショップが始まりました。

Harvard-Macyという医学教育、teaching スキルを学んだ仲間との再会などがありとても
楽しいひと時を過ごしています。

昨年はJohns Hopkins大学の同級生の家族と一緒にすごしていたので、また別の視点でシンガポールの文化、生活に触れる機会を得ています。なんといっても市内観光をしてくれたガイドさんがプロフェッショナルでユーモアを交えた軽快なトークでシンガポールの印象がずいぶんと変わりました。戦略性をもって国家を導く政治力の底力を感じます。

Marina Bay SandsというラスベガスのCasinoグループがつくった巨大なビル3つとその屋上の旅客船の形をした巨大プールとカクテルバーは、シンガポールの人気スポットとなり多くの観光客、ビジネスパーソンが集まっているそうです。私たちも行って見ました。ラッキーなことにフリードリンクをもらえる日だったようで、おいしいワインをいただきました。

ワークショップは、アセスメントに関するもので現在オランダの大学院のプロジェクトでグループワークをしていますがそれの復習と確認になり有意義でした。

感心するのは、シンガポールが大学を挙げて教育改革に取り組み、指導医、教官の大多数が
医学教育のトレーニングを受けていることです。ワークショップの同じグループで7-8人がシンガポールの同じ部署の方がたでしたが、彼らの知識、関心はすごいものでした。

現在、2つの医学部が存在するシンガポールは、3つ目の医学部が英国インペリアルカレッジと進んでおり、大学間のよい意味での競争が教官、病院指導医らに多大の影響を与えていることを肌で感じました。今後5年ぐらいでかなりの質の向上があるのではないかと思いました。日本よりもはるかに先に進んでいる感じがします。

夕食会 Harvard-Macy


Marina Bay Sandsの屋上で。








シンガポール国立大学の新しいビル


市内観光で訪れた植物園 National Orchid Park 国立蘭公園


シンガポールの国花がOrchid 蘭です。世界のVIPにちなんだ蘭も咲いていました。
日本の皇太子妃の雅子様のお名前のついた蘭がきれいに咲いていました。





シンガポールに着きました。

2012-01-10 10:14:52 | シンガポール便り
はじめてRed eye flightでシンガポールに無事到着しました。シンガポールは、昨年も同様に学会参加しましたので、4回目ぐらいになります。

毎回大きな立派なビルに圧倒される気持ちになります。

道中、羽田のモノレールで流されていた中国語が部分的に聞き取れたのがとてもうれしかったです!まだまだですが、関連する単語をNHKラジオ講座が教えてくれていたのでとても助かりますね。

ホテルもearly check-inで予約していたのでとても親切にしていただきました。

学会が行き届いたサービスを提供してくれるので助かります。朝食付き、インターネットコネクションつき、お水つきなど医学教育学会の学会では欧州のAMEEも地下鉄や交通機関のパスを学会期間中無料で提供してくれたりしていました。土地に不案内な参加者にとってはありがたいものでした。

今日、石倉先生のblogに、日本の政治家は「世界の空気を読んでいない」のではないかとのコメントがあり、とても興味深く思いました。現地に行かないと、どのようなことになっているのかは体感することがとても難しいと思います。

アジアで開催される今回の学会も、アジアの医学教育がこの数年で飛躍的に進化していることを肌で感じることができます。日本もアジア諸国に遜色のない先進的な教育プログラムを導入していきたいものです。実際、どこの国も懸命に新しい知見を導入しようと奮闘struggleしているのが現状で、国際的な連携を強めながら地球規模での医学教育のあり方が
より焦点になっていると感じています。

日本が世界に提供できることはどんどん英語で発信してリーダーシップを発揮したいと常に思います。




ACGME Internatinal 導入中のシンガポール:臨床研修の世界標準化の動き

2011-01-31 12:34:03 | シンガポール便り
先日、Asia Pacific Medical Education Conference APMEC という学会に初めて参加しました。医学教育の学会は、AMEE (ヨーロッパ医学教育学会)が、現在、最大かつ
世界のリーダーシップを取る役割を担いつつあります。
(米国の医学教育学会AAMCは、主としてDeans’ conferenceだそうで、米国内のpoliticsばかり?という評価もあり、国外の話題にはほとんど興味も示さないとのことです)

APMEC
http://medicine.nus.edu.sg/meu/apmec8/

AMEE
http://www.amee.org/index.asp?cookies=True

AAMC
https://www.aamc.org/

学会期間中に、Hopkins時代の同級生が数名、組織の中枢にいるので、
Duke-NUS, などをはじめ、新設の病院などを見学させていただきました。
http://www.duke-nus.edu.sg/web/index.php

シンガポールの病院は、5-6箇所teaching hospitalがあるそうですが、
すべての病院で、すべてのspecialtyで、ACGME-Iのaccreditationを受ける準備をしているそうです。UKシステムから、USシステムへの移行の過渡期で、大変だそうですが、それでも、positiveに、シンガポールの国家の発展のために、
かなり強力に進んでいる印象でした。

シンガポールの新設病院も見学しましたが、まさに、
”勤勉で器用なアジアカルチャー”+ ”欧米の体系的システム”=”世界最高の診療+教育”

のような印象を持ちました。



ACGME-I導入に関して、印象的なのは、やはり、彼らにとっても、US-basedのシステムが、シンガポールのアジアcontextに合わない点もあるため、議論を重ねている点です。現場の混乱や、facultyらの混乱も大きく、今後、どうなるのか、といった声も聞かれましたが、推進しているのは間違いないです。

マレーシアもJohns Hopkins大学との合同医学部が誕生しており、
今後、アジア圏内で、日本が医学教育、卒後教育の質の向上、教育方法の進化の面で、”missed the boat" という状況にならないように、情報収集すべきと実感します。

百聞は一見にしかず、一度、シンガポールの大学・病院も見学されることを
皆様に、お勧めします。ちょうど日本からもどこかの病院の関係者が10名ぐらいのグループで見学されていました。


心に刻んでいるメンターのことば

2011-01-30 23:41:33 | シンガポール便り
シンガポールの夏の気候から、冬の日本に無事戻りました。

フライト中、学会でメモしたことを復習し、その後映画を1本見て、あとは休みました。

本当にレクチャでは、知識が維持できないことを自分が証明している感じで、2-3日前に聞いたことなのに、すっかりほとんど忘れていました。復習してやっと消化できる感じですね。

何度も、繰り返して、その概念をもとに何かを始めたいと思います。



フライトは、あっという間で、無事に成田に着きました。


さて、昨日、postした、National University of SingaporeのDr. John Wongのご紹介です。

下記のサイトで、一番右に写っている長身で細身の方です。


http://newshub.nus.edu.sg/headlines/0210/sass_26Feb10.php

これまで、いろいろなメンターから、はっとするようなことばを教えていただきましたが、Dr. Wongのことばが追加されました。

とても大切なことばとして、ずっと心に刻んでいます。

テキサス大学のDr. DuPontから、

”出身大学、トレーニングした病院、経歴などは関係ない。”いま”、何をしているかが大事。どのくらいpublishして、どのくらい研究しているか。それが一番大事。自分が人を採用するときはそこを見極める”

"The most important thing is what you are doing right now! It does not matter which medical school you graduated from and where you trained."


Johns Hopkins 大学での入学直後のレクチャで、

Public Healthを学ぶにあたっては、

”Think clearly,
Act decisively, and
Care tenderly."

同大学のDr. West が、卒業前のキャリアセミナーで、

”Follow your passion, and make your own niche."
自分の情熱に従い、自分にしかできない新しいことをしなさい。


そして、今回、Dr. Wongから教えいただいたことば。

Dr. Wongご自身が、コーネル大学を去るときに、メンターから言われたことばだそうです。

”Wherever you go, you need to make a difference."

どこで働くにしても、以前と比べてなにかよくなるように(違いができるように)しなさい、ということ



これまで自分を支えてくれているこれらのことばを再認識しました。



明日から、また前を向いて、自分が得たものを社会に還元し、ビジョンに向けて一歩ずつでも、前進したいと思います。






すばらしい学会でした。

2011-01-29 23:15:48 | シンガポール便り
今回、初めて参加したAsian Pacific Medical Education Conferenceでしたが、本当に実り多く、すばらしいセッション、スピーカー、ネットワーキングでした。

今日は、朝から、医療、医学、医学教育のパラダイムシフトについて、Johns Hopkins大学のfacultyで、現在、マレーシアの医学部の学長をしている先生のすばらしいセッションがありました。医学の歴史を振り返り、Hyppocratesから始まり、中世を経て、循環を発見したHarvey、近代医学までざっとreviewしたうえで、今後の医学教育のあり方の提言をされました。Johns Hopkins大学医学部のカリキュラムの紹介で、GeneからSocietyまで

つまり、遺伝子から社会まで、一人の患者さんのいろいろな側面を見渡した視点の教育、ということを強調し、tailor-made medicine 個人を尊重した医療、ということを強調されました。EBMが確立しているからこそ、の主張でした。

また今回の学会で、もっともすばらしいと感動したセッションが、National University of Singapore (NUS)の医学部Deanである、Dr. John Wongのセッションでした。

新進気鋭の方で、すばらしい経歴と業績の方です。NYのコーネル大学で、内科、腫瘍内科をトレーニングされました。

学会初日に、Opening addressを話されましたが、その10分のプレゼンテーションが非常にすばらしく感動していました。今日、その先生が、シンガポール医師会 SMAが主催の伝統あるレクチャで、”Role modelについて再考する”というタイトルで話され、心を打たれました。

すばらしいスピーチで、多いにInspiareされ、Dr. Wongは私の新たなrole modelのおひとりになりました。一番うれしかったのは、休憩時間に、まさかお話できるとは思っていなかったDr. Wongとお話でき、しっかりと握手していただけたことです。NUSには、日本人のfacultyが5人いる、と教えてくださいました。5人のお名前もしっかりと日本語で発音をされ、感銘を受けました。

その後も帰りに挨拶でき、"Welcome to Singapore. Good to see you."と言って再び握手してくださったのが、とても印象的でした。

本当に、現地の貴重な友人のおかげで、たくさんの方を紹介いただき、ネットワークができたことをうれしく思います。

アジアでの国際医学教育学会として、APMECがその存在感を確立していっているのがとても印象的でした。

またぜひ、来たいと思います。



本学会初日

2011-01-28 23:25:07 | シンガポール便り
今日から学会の本会が始まりました。

私は、ポスターセッションがランチタイムにありました。





どのセッションも、これまで医学教育学の知識が少なかったので理解できなかったころと比べ、格段に理解できるようになり、非常に有意義でした。

オランダの大学院での課題をこなすにあたっても、自分の理解を深めることにとても役立つ学会となりました。

明日は、レジデントの方と共著のポスター発表があります。Mayo Clinicの解剖学のProfessorの先生とも再会でき、とても親切なその先生は、明日の私たちのポスター発表を聞きに来てくださいます。

学会は朝8時30分から午後6時まで、明日はこれに最後のdinner receptionがあります。

持参した名刺が残り2枚になってしまいましたが、いろいろな方とネットワークがつくれたり、以前からの知り合いの方々と再会し、交流できたことはとても有意義でした。

新設の病院見学 ”世界の最高の結晶”のような病院

2011-01-28 00:20:32 | シンガポール便り
今日は、Hopkinsの別の同級生と合流しました。彼がとても誇りに思っている現在の勤務先で、2010年の3月に開院したばかりの巨大な病院を見学させてもらいました。


550床の病院で、外来は1日に1000人ぐらい、平均在院日数4-5日、という病院です。
ほぼ万床だそうです。

3つの建物からなり、救急部、外来部、入院病棟と3つの巨大な建物が有機的に建築されています。




正面玄関から、吹き抜けのような構造で3つの部分がつながって、見渡せるようになっており、病院内で迷わないように非常にわかりやすいようになっています。

eco-system駆使の病院で、建物、窓のいたるところに緑、お花、有機野菜などが植えられています。病院の窓から人工の池(貯水池)が見えるように設計されており、池の周りを住民が健康増進のため、歩いたり、ジョギングできるようにも設計されています。

病室は、驚くほどきれいで、最新テクノロジーを駆使し、世界各国の病院のよいところを取り入れているそうです。Mayo Clinicや、日本の亀田総合病院などのよい点を取り入れたと教えてくれました。





ICUも全室個室のガラス張りの部屋になっています。電子カルテは整備され、患者が持っている(国家のID番号)で、患者さんの情報は、別の病院の受診歴、処方歴なども、まとまった統合された情報としてコンピュータ管理されています。







シンガポールの医療制度は、患者が、どのくらいの費用をアメニティ部分に支払うかで決まるそうです。

本日、友人が調べてくれた情報ですが、

シンガポール政府機関 Ministry of Healthのホームページで、

虫垂炎で入院した場合、個人負担額は下記のようでした。

在院日数は、2-3日です。

全額負担の
プライベート診療では、約9000シンガポールドル


政府の補助付きで、
80%個人負担 個室の高級な部屋を選ぶと、約5000シンガポールドル

中級クラスの部屋     約3000シンガポールドル

20%個人負担 一般(4人部屋など)    約1000シンガポールドル

などに、個人が選択できるシステムです。

受けるケアは同じ(同じ質、同じドクター)でも、個人のニーズで支払いに差をつくっていました。

病室は、個人負担の割合で、高級ホテルの部屋のような部屋もあれば、一般の大部屋のような間取りの部屋もありました。多くの装置・設備は、米国製の医療機器(ベッドなど)だったので、見慣れた機器が並んでいる印象もありました。

個室は、きれいなトイレ、シャワーが完備されていました。

すべて書ききれませんが、英知を凝集した”傑作”のような病院です。

建物が最新なので、どこもとてもきれいで、すばらしかったです。

もうひとつ、特筆すべきは、テロや戦争に対する対策も取っていることです。

Bomb shelter (爆撃を受けたときの非難場所)を確保しており、病院の一部が、
爆撃時は、避難所かつ、電気・水を自給自足できるようにしており、避難し、患者の手当てもできるようになっています。

また分厚い鉄のドア・自動ゲートがあり、ドアや窓を防御するように閉まるそうです。

日本人の私には実感があまり湧きませんが、現実的なこととして”備えている”というのはやはり用意周到で、切迫感を感じました。

2日間の経験なのですが、シンガポールの超高級住宅街にホームステイさせていただき、
きれいな街並み、都市計画に基づいたすばらしい緑・公園・空間を見ながら”通勤”し、
巨大な大学と病院を見学させていただきました。

驚き、衝撃、感動、というのがいまの心境です。


今の日本で、何ができるか、帰国してから、改めて考えたいと思いました。

予想通り、”衝撃”のシンガポール訪問となりました。

世界が変わるスピードが加速しているため、いかにopen-mindedで、いろいろな視点からの発想を豊かにするかが重要だと痛感しています。

残り2日あまり、現地の友人や学会で出会う人たちと有機的なディスカッションをしたいです。




Duke-NUS 医学部プログラムとTeam-based learning (TBL)体験

2011-01-28 00:04:17 | シンガポール便り
26日(昨日)から、pre-conferenceが始まりました。

シンガポールの巨大な大学の建物群を見ながら、ここでも、驚きを隠せませんでした。

アジアの中心、hubとしての貫禄を見せつけられた印象です。

日本で、なぜ、シンガポールのような革新的な発展が可能でないのか、改めて考えさせられました。正直、ショックと驚きでいっぱいの気持ちでした。



さて、セッションですが、

午前中は、ワークショップに参加しました。身体所見をいかに教えるか、というセッションで、日本人の先生方が主催したものでした。30名ぐらい参加者がおり、いろいろなディスカッションが弾み、勉強になりました。

午後は、2006年に創立されたシンガポールで2校目の医学部でvice deanをしている
先生とランチでした。その先生とスエーデンでご一緒だったご縁で、本当に貴重な時間をいただき、論文などには書いていない情報などもおしえていただきました。




Duke-NUS (Duke-National University of Singapore)が共同で設立した医学部プログラムは、非常に好評で、実際に学生のパフォーマンスも、本国Dukeの医学生(全米でもトップの医学生)をも凌駕するほどだそうです。

その先生がたが、取り入れた教育方法が、Team-based learning TBLというものです。
これは、Problem-based learninの欠点である、ファカルティが多数必要、小さい部屋が多数必要、などを克服し、大教室で、大人数でも、グループディスカッションを実行して、成人の学習理論である、collaborative learning, constructive learningを実現する方法です。学生の評価方法もとてもユニークで、グループとしての評価、個人の評価の割合も、学生がファカルティと相談して決める、というものです。





これを、実際に、私も、飛び入りで、Vice deanであるその先生が、午後そのワークショップをするということで、参加させていただきました。TBLの方式で、TBLを学ぶ、というものでした。

本当に楽しく、有意義で、大教室でも、寝る人は皆無、それどころか議論がはずみ、深い学習が可能でした。

その参加にはおまけもついており、ランチに同席した台湾の先生が驚くほどの経歴の持ち主で、彼女と知り合いになれたこともとてもよかったです。

台湾で生まれ育ち、大学生から渡米して、
Harvard大学で、BA,
その後、U Penn (ペンシルベニア大学)で、MD
Oxford大学にわたり、Ph.D (文化人類学)、
今は、台湾の大学で、Social medicine社会医学を教えているそうです。

すごいですね!


驚きの連続!シンガポール滞在

2011-01-27 23:52:27 | シンガポール便り
1月25日の夕方、シンガポールに着きました。

シンガポール航空を利用しましたが、サービスはとてもよかったです。

Hopkins時代のクラスメートが迎えに来てくれており、数年ぶりの再会でした。
その後、土地の少ないシンガポールでは贅沢とされている会員制のゴルフ場内にあるレストランに連れて行ってもらいました。広い空間に緑が映えて、すばらしい夕刻となりました。お子さんが3人いて、ご夫婦で交代で面倒みながら、なんとか、食事を終了しました。

ご自宅は、本当に”大邸宅”で、都心から10分ほどの超高級住宅街に、プール付きのおうちに車が5-6台止まっているような感じでした。本当にびっくりしました。

豊かさのレベルの差に愕然としました。。。ご本人たちはごくごく普通の感じの人なのですが、ご夫婦とも医師で、すばらしいキャリアを築いています。


翌日、ミニ同窓会でしたが、楽しいひと時でした。そのなかの一人が教えてくれたのですが、シンガポールの人口500万人のうち、超高級住宅街に住んでいる人たちは、本当に少数派で(500人ぐらい? 1%以下)、大多数は、共同住宅(フラット、コンドミニアム)に住んでいるそうです。






街があまりにも、緑がいっぱいで、道路も広く、景観がきれいですね。

国家政策で、緑は増やし維持していると聞きました。

有意義な見学をしたので、次にご紹介します。