俺流俳句 「いちらくいちらく」

俳句で遊ぼ。

あなたも、優しくなれます。
          
          千秀

柿簾

2008年10月27日 | 俳句

『名も知らぬ 茸の生えし 下の階』
(なもしらぬ きのこのはえし したのかい)

『一片の 松茸も無き 夕餉かな』
(いっぺんの まつたけもなき ゆうげかな)

『吾亦紅 形よし色よし 匂い良し』
(われもこう かたよしいろよし においよし)

『曲がり角 軒に吊るせし 柿簾』
(まがりかど のきにつるせし かきすだれ)

『黄昏て 柿の色濃く 急ぎ足』
(たそがれて かきのいろこく いそぎあし)

『奈良名産 柿の葉ずしの なつかしき』
(ならめいさん かきのはずしの なつかしき)

『柿の渋 研究せよとや 口渋し』
(かきのしぶ けんきゅうせよとや くちしぶし)

『薄紅葉 これくらいが良し うすもみじ』
(うすもみじ これくらいがよし うすもみじ)

『さやけしや 吾子と別れて もう三日』
(さやけしや あことわかれて もうみっか)

『寝て居れば いつしか進む 秋の暮』
(ねておれば いつしかすすむ あきのくれ)

『この秋は 雀も掛かる メタボ症』
(このあきは すずめもかかる めたぼしょう)

『回り道 山近ければ 紅葉濃く』
(まわりみち やまちかければ もみじこく)

『名月や 月は出ずとも 酒はある』
(めいげつや つきはでずとも さけはある)

『むざんやな バブルはじけし きりぎりす』
(むざんやな ばぶるはじけし きりぎりす)

『塩秋刀魚 醤油は要らぬ おろしのみ』
(しおさんま しょうゆはいらぬ おろしのみ)

『桃の木を 一人泣かすな 秋の風』
(もものきを ひとりなかすな あきのかぜ)