『秋暁に 小学校歌 想い出し』
(しゅうぎょうに しょうがくこうか おもいだし)
『秋薔薇 秋には秋の 艶があり』
(あきそうび あきにはあきの つやがあり)
『世を拗ねて 葉見ず花見ず 曼珠沙華』
(よをすねて はみずはなみず まんじゅしゃげ)
『古の 息吹そのまま 曼珠沙華』
(いにしえの いぶきそのまま まんじゅしゃげ)
『菊の香や 大仏さんは 鼻詰まり』
(きくのかや だいぶつさんは はなづまり)
『野菊咲く 畦の細道 右左』
(のぎくさく あぜのほそみち みぎひだり)
『鞄抱き 眠りこけたる 秋電車』
(かばんだき ねむりこけたる あきでんしゃ)
『菊人形 心なしかよ 独り立つ』
(きくにんぎょう こころなしかよ ひとりたつ)
『懐手 出して歩けり 秋風に』
(ふところで だしてあるけり あきかぜに)
『秋風の 吹き行くホーム 人まばら』
(あきかぜの ふきゆくほーむ ひとまばら)
『電線に 椋鳥止まりて もう一羽』
(でんせんに むくどりとまりて もういちわ)
『歯にしむや 梨の固さの 取れぬまま』
(はにしむや なしのかたさの とれぬまま)