『爽やかや 我を見つめる 吾子の目の』
(さわやかや われをみつめる あこのめの)
『吾子帰り 台風一過の 秋の宵』
(あこかえり たいふういっかの あきのよい)
『吾子去れば 深さ極まる 秋の暮』
(あこされば ふかさきわまる あきのくれ)
『秋の夜の 壊れた電話 砂時計』
(あきのよの こわれたでんわ すなどけい)
『秋雨や あいも変わらぬ 膝の音』
(あきさめや あいもかわらぬ ひざのおと)
『雨に濡る その肩越しに 萩の花』
(あめにぬる そのかたごしに はぎのはな)
『世の中は 冷たさ増して 秋の風』
(よのなかは つめたさまして あきのかぜ)
『石山に 白さ漂う 秋の風』
(いしやまに しろさただよう あきのかぜ)
『寝言にも 淋しさ溢る 秋の暮』
(ねごとにも さびしさあふる あきのくれ)
『この秋は 花鳥風月 遠くあり』
(このあきは かちょうふうげつ とおくあり)