OZ.

Opened Zipper

CASSHERN

2005-06-02 18:29:09 | 映画
先日の深夜、睡眠時間を削ってキャシャーンを観ました。
賛否両論な映画なのは知ってたんで、あまり期待せずに鑑賞スタート。


題名:CASSHERN (2004年 日本)
時間:141分
監督:紀里谷和明
原作:新造人間キャシャーン
出演:
 伊勢谷友介 (鉄也)
 麻生久美子 (ルナ)
 寺尾聰 (東博士)
 樋口可南子 (ミドリ)
 唐沢寿明 (ブライ)
 要潤 (バラシン)
 宮迫博之 (アクボーン)
 佐田真由美 (サグレー)
 及川光博 (内藤薫)
 小日向文世 (上月博士)


■ストーリー

世界大戦が50年続き、大亜細亜連邦共和国が勝利するが、汚染物質が撒き散らされて世界中に病気や奇形が蔓延している世界。
東博士は病気への画期的な治療法として、人体のどの部分にも成長し得る「新造細胞」を使う理論を提唱するが、認めてもらえない。
しかし軍部がその機能に目をつけ、政府や軍の高官の延命治療に利用しようと博士に接近する。
博士は病気の妻ミドリを救うためにも研究を続ける必要があり、軍部の申し出を受けて研究所を提供され、研究を進めていた。
博士の息子鉄也は父親に反発し、テロリストを鎮圧するために出征していたが、戦死して遺体が還されるとの連絡が入る。
そんな中、研究所の培養層に空から謎の物体が突き刺さり、その反応によって新造細胞群が結合し始め、新造人間たちが大量に生まれるという事故が発生した。
軍部は新造人間たちを掃討するが、生き残った数名が東博士の妻ミドリを誘拐して逃亡する。
逃亡先で拠点を構えた新造人間たちは人間を憎み、戦闘ロボットを大量生産して人間たちを殺戮し始める。
博士は還されてきた鉄也の遺体を培養層に沈め、新造人間として蘇らせる。
蘇った鉄也は母ミドリを救うため、新造人間たちと戦うことになる。

■感想

この映画をどう評価、どう判断したら良いのか、正直まだ掴みかねてます。
好きな人は大好きだろうし、これは「アリ」だとは思ってるんですが。
もう1回観るべきだったかな~、でも2時間半近くもあってディスク容量食ってたから、観終わった後でソッコーで消しちゃったんですよね。
まぁそのうちまたWOWOWでリピート放映されるだろうから、その気になれば録れるんですけど。

映像はとにかく綺麗で、レトロな雰囲気や、世界観とかは大好きな方です。
CG多用して綺麗な映像で、でもなるべくコストを抑えつつも安っぽくは見えないように気を使ってるって感じでした。
大亜細亜連邦共和国が世界対戦で勝利してるってのが、出演者が全部日本人だけど許してねって感じのこじつけっぽいですが、それはご愛嬌として。

設定は良くて、ストーリーもそんなに変ではない…はずなんですが、どうも分かり難いのかな。
最期まで説明されなかった部分があって、それはそれで謎としておくのは良いんですが、ストーリーの見せ方に問題があるように思えます。
映像を優先させたせいで、ストーリーを説明しきれていないという感じでしょうか。

一番の問題点は主人公のような気がします。
何というかキャシャーン鉄也くん、タイトルロールのくせに「圧倒的な脇役感」があるのです。
鉄也の心の動きがどうにも分からないまま観ていたんですが、それが新造人間らしさを出したつもりなのか、単に伊勢谷友介の演技力の問題なのか、よく分かりません。
個人的には後者のような気もしますが…

主人公の周囲を固める俳優陣には文句はありません。(っつーか大好きです)
寺尾聡の静かな演技。
ミッチー王子の完璧に期待通りの胡散臭さ。
唐沢寿明のインパクト。
麻生久美子はそこに存在してるだけで充分。
宮迫は役柄に応じた良い味出してたし。
新造人間チームの佐田真由美や要潤もイイ。
将軍とその息子も良かったし。

なので尚更、主人公の「何だか分からない」っぷりに違和感があるのでしょうか。
幼少時代の鉄也役の子供の顔がちょっと爬虫類っぽいっつーか骸骨っぽいっつーか、その辺りも悪影響しているのかも。
母ミドリを助け出したいと思っているはずなんだけど、あまり彼のそういう意思を映像から感じられない。
ルナに対する気持ちもはっきり見えない(映像として見せてくれない)まま婚約してるし。
望んでもないのに父親に勝手に新造人間として蘇らされた挙句に放り出されて、どうして良いか分からない状態なんでしょうけどねぇ。
鉄也が「キャシャーン」と名乗る前後のシーンで、初めて彼の意思が伝わってきたような気がしますが、それはもう遅過ぎなのでは。

結局、全ては監督のせいだと思ってます。
とにかく見せたい映像があってそれを作ることを優先したので、説明的な部分がなくなってちゃんとストーリーを見せることができなくなってしまったんじゃなかろうかと。
監督本人にとっては失敗ではなく思い通りのものが作れたんだろうけど、客を楽しませるという観点がちょっと足りなかったんじゃないでしょうか。
監督の「超自分勝手映画」って感じですかねぇ。(クリエイターとしては自分勝手さも必要なんでしょうが)

などと、色々と思うところがある映画でした。
やっぱもう1回録って、観直してみようと思います。

そういえばこの映画、「前振りがやたら長い宇多田ヒカルのプロモーションビデオ」という評価を聞いたことがあるんですが、宇多田ヒカルの歌を聴いた記憶がないです。
エンドロールで流れてたんだっけ?
眠かったんでエンドロールは120倍速くらいで飛ばしてしまいました、しまったなぁ。