OZ.

Opened Zipper

梅干の種の中を喰う

1997-12-12 12:00:00 | 旧 Opened Zipper
昨日の、切り取った扁桃腺のような梅干しを食べた後の図。
当然、種が残ります。

私は子供の頃から、梅干しの種の中の白い部分を食べるのが好きでした。
冷静に考えると、それほど美味しい訳ではないのです。
しかし種の中まで食べられるというのは、何だか得した気分になるじゃないですか。
しかし、そのごちそうにありつくには種を割らなければいけません。

小さい梅干しだったら、奥歯でガツンと一発で種を砕いてやります。
しかしこれ程大きな梅の種となると・・・ためらいます。
これだけ堅い種を歯でかみ砕くとしたら、奥歯から頭蓋骨を振動が伝わって脳髄に激しい衝撃波が送られるでしょう。

堅いせんべいを噛むのとは、レベルが違います。
あれは食べることを前提に作られていますから。

いかにも堅そうな種を前に、しばし悩む自分。
脳髄への振動は避けたい。
でも、あの白い部分を手に入れる喜びも捨て難い。
どうしよう。
どうしよう。

あ、こすってらっしゃる。
風呂場の黒ずみはカビなのに。
どうしよう。
伝えたい。
おせっかい。
でも。
ピンポーン。
こんにちは。

などと頭の中で古いCFが再生された後に、踏ん切りがつきました。
えいやっと。
ばき。

予想よりもあっさりと種は砕けて、無事にごちそうを手に入れました。
でもやっぱりちょっと脳髄がしびれて良い感じ。
病み付きになりそうです。

種の中まで味が沁みているのには、ちょっと感動しました。
さすが高橋家の梅干し。