中小企業の「うつ病」対策ー人、資金、時間、情報に余裕がない

企業の労働安全衛生、特にメンタルヘルス問題に取り組んでいます。
拙著「中小企業のうつ病対策」をお読みください。

17日、休みます

2012年05月16日 | 情報
本日より、出張のため、明日のブログはお休みします。
宜しくお願いします。
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社会保険料は高い?

2012年05月16日 | 情報
と思いませんか。と思っていますか。
厚生年金保険、国民年金、健康保険、労災保険、雇用保険。
しかし、法令で定められていますので、支払いを拒否することはできません。

労働者健康福祉機構という独立行政法人を知っていますか?
当機構は、厚生労働省の外郭団体で、企業が拠出した労災保険料で運営されています。
つまり、実質は企業・組織の費用で運用されていることになります。
ですから、当組織を上手に利用されることをお勧めします。
具体的には、機構が厚生労働省委託事業として、
メンタルヘルス対策支援センターを運営しています。
そして、各都道府県の産業保健推進センターに設置されています。
http://www.rofuku.go.jp/tabid/111/Default.aspx

以下は、HPより、引用です。
メンタルヘルス対策支援センターは、
メンタル不調の予防から職場復帰支援まで、職場におけるメンタルヘルス対策
についての総合支援窓口として、精神科医やカウンセラー等の専門家による相談対応、
事業場に出向いての個別支援、メンタルヘルス対策に関する情報の提供などを行っています。
労働者やご家族などからのメンタルヘルス不調についての相談にも応じます。
ただし、当センターは医療やカウンセリングを提供する機関ではありませんので、
専門家が必要と判断した場合は専門機関を紹介します。
提供するサービスはすべて無料です。お気軽にお問い合わせください。

なお、産業保健推進センターやメンタルヘルス対策支援センターは、
いわゆる事業仕訳で、活動実態が少ない都道府県の組織が縮小されました。
今後の実績によっては、さらに規模縮小も考えられます。
企業・組織において、MH問題に取り組んでいるスタッフのみなさん、
無料で利用できますので、メンタルヘルス対策支援センターを、
有効に利用されることをお勧めします。

それでもMH対策でお困りの場合は、橋本社会保険労務士事務所に
質問、お尋ねをお寄せください。
質問、お尋ねには、無料で対応しております。
s-hashi@ya2.so-net.ne.jp
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うつ病患者の再就職支援施設

2012年05月15日 | 情報
5月1日の、NHKのニュース首都圏ニュース845より

働き盛りの世代のうつ病患者が増えるなか、治療で退職を余儀なくされた人の
再就職を専門的に支援する施設が、1日、東京にオープンしました。

東京・新宿区にオープンしたのはうつ病の患者が通う通所施設で、
治療のために仕事を辞めた人を対象に履歴書の作成のしかたや面接の訓練などを行い、再就職を支援します。
1日は12人の利用者が訪れ、早速、カウンセラーから面接の訓練を受けていました。
厚生労働省によりますと、うつ病の患者は全国で100万人を超えると推計されていますが、
特に働き盛りの世代で増加していて、治療のために退職を余儀なくされる人も少なくありません。
厚生労働省によりますと、うつ病患者の再就職の支援を専門的に行う施設は珍しいということです。
この施設での訓練は障害者自立支援法に基づいて行われ、
障害者と認定されると一日900円程度の負担で利用できるということです。
治療のために研究職の仕事を辞めて3年になるという30代の男性は、
「長い間1人で悩んで出口が見えなかったが、こういう施設ができて本当によかったです。
うつ病とうまくつきあって再就職を目指したい」と話していました。
通所施設「ハビトゥス市ヶ谷」の伊藤崇代表は、
「うつ病にかかったことがある人の再就職はまだまだ厳しい現状があるが、
周囲の理解があれば十分に仕事ができるので、できるかぎり支援していきたい」と話しています。

伊藤 崇氏 のプロフィール
株式会社リヴァ 代表取締役。うつの方への社会復帰支援サービスを展開中。
医療、福祉、産業と色々な業界の機関とつながりをつくり、
一人でも多くの方が自分らしくハッピーな人生を歩めるような支援を目指している。

MH不調者が社会復帰するためのリワーク施設は、全国に数多くありますが、
比較的安価で利用できる施設として、貴重な存在でしょう。

なお、働く人々にとって最も大切な、リワークをはじめとする、職場復帰支援については、
拙著『中小企業の「うつ病」対策』に詳しく記載しています。
アマゾンならば送料無料で購入できます。図書館での利用もできます。



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「職場を襲う“新型うつ”」とは(解決好事例)

2012年05月14日 | 情報
日経新聞やテレビ東京で報道された、居酒屋チェーンきちりのユニークな新人教育を紹介します。
ここでは、日経新聞(12.4.11)ビジネス・イノベーターのための未来創造系ブログ(12.4.13)より転載しました。

居酒屋チェーンを展開するきちりは10日、新入社員だけで運営する店舗を大阪市内に開設した。
指示を仰ぐ上司のいない環境で経験を積ませ、実践的な店舗運営のノウハウを習得させる狙い。
店名も「新卒ダイニング Rookies(ルーキーズ)」として、通常の店舗と区別する。
今月1日に関西エリア採用で入社した男女9人が1年間勤務する。本社で基本的な研修を
受けたうえで調理や接客など店舗運営の一切を担う。メニューや内装も新入社員が中心となり
企画した。従来は約3日間の研修後に店舗に配属され、上司の下で働いていた。
店舗は大阪の繁華街、北新地の鳥料理店を業態転換した。客単価は夜で3000円前後を見込む。
新入社員だけで運営する飲食店は珍しい。関東エリア採用の新入社員についても「来年度採用から
検討する」(平川昌紀社長)としている。

4月に入り新入社員研修があちらこちらで行われています。
この新入社員研修というものは“お勉強”ではなく、仕事ができるように
“実践につなげる”ことがとても大事。その観点から、きちりが非常にユニークな取り組みを行っています。
居酒屋チェーンのきちりが2012年4月10日に大阪・北新地にオープンした店舗「新卒ダイニング Rookies」。
この店舗の特徴は、社員は新入社員のみ。上司に頼らずに、
新入社員が自ら考え、調理や接客などの店舗運営を行っていきます。
といっても、いきなり放り込むわけではなく、1日から本社で研修をおこなっていますし、
きちりはアルバイトから社員になるケースも少なくない会社。
当然本社からのサポートも入るでしょうから、無理の無いレベルでより深い現場経験を
新入社員が獲得することが期待できます。

この先のビジネスのあり方を考えると、以下の3つのワーキングスタイルのうち
ナレッジワーカータイプが必要です。
・マニュアルワーカー : 決められたことだけを決められたとおりにやる
・スキルワーカー : 課題を与えられたら、その解決のために自分のスキルを駆使して対応する
・ナレッジワーカー : 課題を自ら発見し、その解決のためにあらゆる手段を駆使する 
ナレッジワーカーには、自ら考え、行動することが必要です。それには責任と権限を与えること、
つまり本当の意味で任せることが必要になります。
しかし、新入社員に対する企業の研修のほとんどはマニュアルワーカー的、
もしくはスキルワーカー的になっているのが実情。
研修で「自分で考えて行動しろ」といっていたとしても、
実質的には研修する側(OJT、Off-JTともに)が考える範囲を制約していたり、
行動を実質的に指示(命令)しているケースは少なくありません。

この状態を解決するための試みとして、今回のきちりの「新卒ダイニング Rookies」は
非常に興味深いものがあります。ナレッジワーカーを育成するために、
実は阻害要因となっていたのは“教える側”、“指示をする側”の人間=上司・先輩。
であれば、その上司・先輩がいない環境で、実際に社会の厳しさにさらされて知識だけでなく多くの経験をつませ、
考えさせ、ナレッジワーカーに仕立て上げていくことが狙いとして見て取れます。
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「職場を襲う“新型うつ”」とは(続編)

2012年05月11日 | 情報
最近の定性情報では、うつ病の半分以上は、「新型うつ」と云われています。
各企業の努力で、従来型のうつは、低減傾向にあるそうですが、
それに代わって、「新型うつ」が増えているそうです。

困ったことは、各企業がこの「新型うつ」への対応に苦慮していることです。
「うつ病」ではないので、うつ病の治療薬では効果がないということも聞きますが、
治療のことは精神科専門医にお任せし、ここでは職場での人事労務対応について記述します。

各企業が、「新型うつ」への対応に苦慮しているそうなのですが、
まるで「ハレモノ」にさわるような状況にあるのが問題と考えています。

20代を中心とする最近の若者は、生まれた時から競争にさらされていません。
一人っ子か二人兄弟で、生まれた時から競争はありませんし、
小学校、中学校も、悪しき平等教育やゆとり教育で、競争はありません。
大学も全入の時代です。
いわゆる「いじめっ子」の恐怖さえ、克服すれば、
トラブルを避けることだけには、長けていますので、ほとんど無菌状態で就職です。

それが、何度も同じフレーズを繰り返しますが、「不条理で暴力的な」企業社会に
いきなり放り込まれるのですから、「こわれる」のは火を見るより明らかでしょう。

ですから、新入社員教育が大切になります。
基本は、新入社員を「一人前の大人」として扱わないことです。
すべて「いろは」から手取り足取りで教育(教え育てる)しなければなりません。
「解っているだろう、このくらいはできるだろう」という先入観を排除することです。
手間ひまは掛かりますが、将来を見通せば致し方がない先行投資として割りきりましょう。

一方、最近の若者は、「他罰的な思考」ですから、教えないのが悪いと反発します。
20,30代の人たちの意見も理解できます。
確かに教わっていないのですから、致し方ない部分もあるでしょう。
成長期に学ぶチャンスがなかったのです。

「新型うつ」を理解していない経営層、管理職は、「なまけ病」だと短絡的に判断してしまいがちですが、
どうでしょう、ここまで目線を下げれば、怒りも少しは収まることでしょう。
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