中小企業の「うつ病」対策ー人、資金、時間、情報に余裕がない

企業の労働安全衛生、特にメンタルヘルス問題に取り組んでいます。
拙著「中小企業のうつ病対策」をお読みください。

「職場を襲う“新型うつ”」とは

2012年05月10日 | 情報
NHK総合で4月29日(日) 午後9:00~午後9:50に放送された、
NHKスペシャル「職場を襲う“新型うつ”」を紹介しました。

“新型うつ”とは?について。
詳しくは、精神科専門医にお任せしますが、まず、入門編から。

「新型うつ病」とは(拙著「中小企業のうつ病対策」より)
若年層を中心に増えている「新型うつ病」は、正式な医学病名ではなく、
従来からの典型的なうつ病と違うものを意味する総称として使われており、
専門家の間でも見解は一致していません。特長としては、
①若年者に多く、全体に軽症で、訴える症状は軽症のうつ病と判断が難しい
②仕事では抑うつ的になる、あるいは仕事を回避する傾向がある。ところが余暇は楽しく過ごせる
③仕事や学業上の困難をきっかけに発症する
④病前の性格として、“成熟度が低く、規範や秩序あるいは他者への配慮に乏しい”
などが指摘されています。

それでは、なぜ「うつ病」と云うのか。
それは、精神科の領域においては、「アメリカ精神医学会」で定義している精神疾患の分類と
診断の統計マニュアル「DSM-Ⅳ」が、診断の世界標準になっており、
それによると、以下のような症状がある場合に、「うつ病」であると診断されます。
「新型うつ病」は、その条件を満たしているのです。

以下の9つの症状のうち5つ、またはそれ以上が認められ、
このなかには、2つの基本症状のうち必ず1つ以上ある。
さらに、これらの症状が、同じ2週間の間に、ほとんど毎日、あるいはほとんど1日中、存在している。
【2つの基本症状】􀀀
 1. 抑うつ気分􀀀
 2. 興味または喜びの喪失􀀀
【7つのよくある症状】􀀀
 3.著しい体重減少あるいは増加、食欲の減退または増加
 4.不眠あるいは睡眠過剰􀀀
 5.精神運動性の焦燥または制止
 6.疲労感または気力の減退􀀀
 7.無価値感、または、過剰であるか不適切な罪責感􀀀
 8.思考力や集中力の減退、または決断困難􀀀
 9.死についての反復思考、自殺念慮、自殺企図􀀀􀀀

ところが、日本の精神科学界では、「新型うつ病」を「うつ病」と認めていません。
それに、「新型うつ病」には抗うつ剤が有効ではないそうです。
ですから、診断書に「うつ病」と記載されることはないのです。
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