中小企業の「うつ病」対策ー人、資金、時間、情報に余裕がない

企業の労働安全衛生、特にメンタルヘルス問題に取り組んでいます。
拙著「中小企業のうつ病対策」をお読みください。

安衛法改正の影響⑨

2019年07月10日 | 情報

〇今までは、序論です。労働安全衛生についての概論でした。
しかしながら、セミナーでもよく質問が出る項目ですので予め記しました。
詳しい諸兄には、さぞ退屈だったでしょう。

しかし、ここからが本論です。

その前に、今日からの話は、マスコミはもちろん、専門誌、専門雑誌、業界誌、機関紙には、一切掲載されていません。
大学の教授、弁護士、社労士、産業医をはじめとする専門家も一切語っていません。
これらの先生方の講義内容は、法令の紹介や解釈がほとんど、むしろ100%でしょう。

なぜか?上述の先生方は、企業内の実務に明るくないからです。
若干ビジネスを経験されている方もいらっしゃいますが。
むしろ、当ブログをお読みいただいている皆様のほうが詳しいことだと思いますが。

前置きは、ここまでにして、
産業医の委嘱料が大幅に増えるとか、衛生管理者も片手間ではできない、と申し上げてきました。
即ち、普通であれば、改正法令を遵守しようとしたら、
企業・事業場の労働安全衛生に必要な費用は、必然的に高騰します。

ところが、経営層の脳裏の片隅には、労働安全衛生とか、産業保健とか、殆ど考えている余地がありません。
ましてや、費用がかかる、さらに費用が増えるなんてとんでもないことなのでしょう。

参考までに、小職が耳にする定性情報では、労働安全衛生とか、産業保健とかは、
人事労務部門が法律で決まっていることだと云うし、
行政の指導もあるので、仕方がなく産業医と契約しているのだというのが、大方の事業者の意識のようです。

そこで、発想の大転換をしていただかなければなりません。

即ち、労働安全衛生とか、産業保健とかに必要な費用は、「コストではなく、投資である」という考え方です。
投資であれば、経営層も理解できますし、回収できる計画を立案し、実行すれば良いのです。

〇基本を再確認します。働き方改革実行計画での安衛法改正の目的は、労働者の健康確保です。
つまり、投資目的は、「健康経営」を目指すことなのです。

健康経営を実現すると、人材の採用・確保、並びに 法令順守と安全配慮義務の履行、
という大きなメリットを享受することができます。

これにより、従業員と企業体質の健康確保ができ、企業の収益増大につながるのです。
健康経営の実現には、まず、労働安全衛生体制の充実が必要ですが、この先の具体論は次項に譲りましょう。

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