中小企業の「うつ病」対策ー人、資金、時間、情報に余裕がない

企業の労働安全衛生、特にメンタルヘルス問題に取り組んでいます。
拙著「中小企業のうつ病対策」をお読みください。

安衛法改正の影響⑥

2019年07月04日 | 情報

〇御社では、わが社の産業保健体制は「バラバラ」だなという意識は、ありませんか?
小職の経験では、決して珍しいことではないようです。
しかし、無理もないことなのです。日本、と言い切ってもいいでしょう。
日本人は、縦割りが好きです。縦割り社会でないと生きていけないように受け取れます。
それに、産業医や保健師・看護師のような外部の人材が参加していますし、
人事労務部門と、産業保健関係が別組織というような場合もありますので。

安衛法改正を機会に、産業保健体制を見直してください
反対の言い方をすれば、改正安衛法に対応するには、産業保健体制の見直しをしなければならないでしょう。
具体的には、「チーム」で進める、体制作りを検討しましょう。
このチームとは、「継続するプロジェクトチーム」を云います。
産業保健体制を有益な、効率の良い、生産性が高い組織に作り上げるには、「横ぐしを通すような」組織横断型の
組織でなければなりません。

〇具体的には、産業医、保健師・看護師、衛生管理者、人事労務担当等それぞれの専門性を生かした、
事業者主体の産業保健チームをつくりましょう。

〇チームはリーダー次第ですが、リーダーは衛生管理者をお勧めします、なぜなら社員だから、です。
 大企業であれば、産業医がリーダーというケースもありますが、中小規模の企業であれば、従業員であり、
産業保健に詳しい衛生管理者が相応しいでしょう。もちろん、それぞれに事情がありますので、結論としては誰でもよいのですが。

〇さて、具体的な産業保健活動です。
はじめの一歩は、衛生委員会です。委員会を開催し、議論し、記録し、記録の公開をしましょう。

〇そして、事業者は衛生管理者が、衛生管理者として活躍できる場を与えることです。
そして、事業者は、長時間労働者の状況や労働者の業務の状況など産業医が
労働者の健康管理等を適切に行うために必要な情報を提供しなければなりません。
事業者は、嘱託の産業医が専門的・効果的な活動を行いやすい環境を提供しなければなりません。

因みに、2012年、重大な労災事故を惹起させた某事業所は、
産業医と衛生管理者の未配置、衛生委員会の未開催で、略式起訴されています。
ですから、産業医、衛生管理者、衛生委員会の3点セットは欠かせない要件なのです。

 

 

 

 

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