中小企業の「うつ病」対策ー人、資金、時間、情報に余裕がない

企業の労働安全衛生、特にメンタルヘルス問題に取り組んでいます。
拙著「中小企業のうつ病対策」をお読みください。

大人の発達障害(1)

2015年10月27日 | 情報

読売朝刊で、大人の発達障害についての連載がありました。とても参考になる記事ですので、以下に紹介します。
なお、当記事は、有料配信になっていますので、関係の皆さんには、お役に立つのではないでしょうか。

 大人の発達障害(1)読売 15.10.20
30代になって病気と診断
昭和大烏山病院(東京都世田谷区)の事務職員、堀越一雄さん(40)は、幼い頃から一人で遊ぶのが好きで、
パズルやブロックに夢中になっていた。世間話ができず、聞くだけでも苦痛に感じることがある。
サラリーマンは不向きと自覚し、研究者を目指していた。
東京大で物理学を専攻して大学院修士課程に進んだが、研究テーマなどを先輩に相談することはなかった。
修士2年になった1998年の春、指導教官に「君は研究者に向いていない。就職活動をした方が良い」と告げられた。
自分の全てを否定された気持ちになり、自宅に引きこもるようになった。
心配した教官の勧めで病院を受診。うつ病と診断され、抗うつ薬の治療を始めたが、意欲がわかない。
「甘えだ」と突き放す教官の態度に絶望し、翌年秋に大学院を中退した。
その後は、深夜から朝までインターネット漬けか、趣味のピアノに没頭した。
手鏡を壊したり、パソコンのマウスを投げつけたりすることを繰り返すようにもなった。
長生きをしても良いことはないし、50歳ぐらいで静かに死にたいと思うようになった。
鍵を閉めたかどうかを何度も確認せずにはいられないといった強迫性障害にも悩まされた。
30歳代も半ばに近づいた頃に、インターネットで知った発達障害が、自分の症状と共通しているように思えた。
堀越さんは2008年2月に昭和大烏山病院を受診し、アスペルガー症候群と診断された。
アスペルガー症候群は、脳機能の偏りから引き起こされる「発達障害」の一つで、
人との交流や意思疎通などに困難を抱える。子どもの頃に発症するが、見過ごされることも多い。
同病院で発達障害の患者向けのデイケアや就労に向けた訓練プログラムに週1回通い始めた。
この間、気持ちが不安定になり足が遠のいた時期もあったが、気分転換にと、
2年前からパソコンの入力作業などのアルバイトを始めた。
昨年初めには同病院が障害者雇用枠で事務員を募集していることを知り、応募、採用された。
堀越さんは「キャリアアップをして、ピアノがある部屋を借りて独り暮らしをしたい」と話す。
堀越さんの主治医で、同病院院長の岩波明さんは「大人になり発達障害と分かっても諦めず、
適切な治療を受け、他人にどう対処していくかを学べば、社会復帰の道につながる」と強調する。

 

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