前日の小生の提案は、「日本的な組織」のなかで、
如何にして自分の心身を守るかに焦点を当てる「消極的な」「受け身的な」対策になります。
しかし、アメリカでは既に「積極的な」「攻撃的な」対策としてのマネジメント理論が確立しています。
「ボスマネジメント」理論といいますが、詳しくは文献にあたっていただくこととして、
以下に分りやしい雑誌記事を見つけましたので、転用して紹介します。
感想としては、ここまで出来る部下ならば、ダメなボスと交代すればよいのになと思いました。
企業の経営者や上級管理層のマネジメント能力がないのならば別ですが、このような企業ならば
早晩、社会からフェードアウトされることでしょう。
上司をマネジメントすれば、職場は楽になる
東洋経済オンライン 4月1日(月)
「自分は、上司に嫌われているのではないだろうか? 」
と、気になっている人は多いのではないでしょうか。
「まさに私のことです」と手を挙げてくれたのは、金融機関に勤務しているDさん(26歳)。
2年以上、同じ職場で上司として関わるFさん(36歳)の態度が明らかに『嫌っている』ようにみえて仕方がない様子。
詳しくインタビューをしてみると……
・2人になると黙り込む
・あいさつをしても冷たい
・仕事の相談をしても適当な答えを返される
と、上司に嫌われていると思う理由を挙げてくれました。ただ、嫌われていると感じ始めたのは、つい最近のこと。
それまでは、問題なく仲良く話せる関係だと思っていたようです。
「何か嫌われることをしたのだろうか? 思いあたることがないので、困っています」
と、Dさんは考え込む毎日とのこと。Dさんの認識は過剰なのでしょうか?
実際にその上司、FさんにDさんに対する感情を聞いてみたところ、
「嫌いではないですが、厳しく接しようと、マネジメントスタイルを変えました」
と回答が返ってきました。つい最近までFさんがDさんと親しく接していたのは事実。
ただ、あまりになれなれしい態度や口の利き方をするので、距離を置こうとしていたようです。Fさんが言うには、
「例えば、何か聞きたいことがあるときに、ちょっといいですか?
と相手に話しかけるための断り、あいさつ的なクッション言葉を置きますよね? そうした気配りがまったくないのです」とのこと。
話しの前につけるクッション言葉は、さまざまな場所や場面で使われています。「恐れ入りますが」などがその代表的な例です。
相手に対して「お願い・依頼」「反論・反対意見」「拒否」する場合などに使われる言葉で、
直接伝えると嫌味や冷たい印象に見えるものを、やわらかくするための話し方・書き方のマナーです。
.社内では仰々しいへりくだりは不要ですが、上司も忙しく仕事しているわけで、話しかける前にちょっと一言欲しかったのです。
しかも、1回だけでなくつねにクッション言葉なしに入ってくるので、我慢も限界に達してしまった様子。
ほかにも仕事とかけ離れた話を業務時間中に長時間したがるなど、限度を超えていたので、
突き放す意味で冷たく接するようになったようです。
ある意味、嫌われていると感じていたDさんの認識は当たっていました。
本来なら上司としてFさんは教育的見地から「業務時間中の私語には限度がある」と注意すべきところでしょう。
ところが、うまく注意する方法が思いつかず、”冷たく接する”という手法を選んでしまったようです。
このままではDさんの心を大きく痛めてしまうことになるかもしれません。ところが
「傷つきやすい部下を抱えた経験から、注意することに躊躇をしてしまうのです」
とFさんも悩みを打ち明けてくれました。最近はキツイ言葉で注意すると「傷ついた! 」と
会社を休んでしまう部下が増えているようで、上司も注意しない、あるいはやさしい言葉でしか注意しない傾向が出てきています。
例えば、総合商社に勤務しているKさん(40歳)に聞いたところ、業務報告をよく忘れる部下に対して「ちゃんと、報告をしなさい」と
直球を投げることはせず、「1人で問題を抱えてはいけないぞ」と、
回りくどい言い回しをするとのこと。部下に対する心配りは大したものですが、果たして意図は伝わるのでしょうか?
■ 上司をマネジメントしよう
上司のほうも、いろいろ悩んでいるのです。
・報告すべきことを報告しない(特に悪い話)
・ネガティブな発言が多い
・あいさつができない、マナーが悪い
など、本来は日常的に指導すべきことをしっかり注意できないで、自分の内にストレスをためて、
ついには部下を嫌いになってしまったりするのです。
もし、あなたが急に上司から嫌われてしまったと感じたら、自分の態度・言動でストレスを感じさせた部分が、あるかもしれません。
しかし、上司に嫌われた状態で仕事をするのは、気持ち的にも滅入るものがあります。
中には「そう言われても、自分は変えられない。嫌われることには慣れています」と主張する頑固者もいます。
が、大抵の人は、上司と対立するのはやはりつらいことでしょう。では、いったいどのようにしたらよいのでしょうか?
Niftyの何でも調査団によるアンケート「こんな部下は嫌だ! ランキング」によると、1位は言い訳ばかりする、2位は責任感がない、
以下、遅刻が多い、やる気が感じられない……と並んでいます。上司が嫌う部下の特徴はある程度、踏まえておくことはできるはずです。
それに加えて、重要なことは上司を詳しく観察するのです。「上司を観察してどうするの」と感じるかもしれません。
でも、ここは発想を転換しましょう。あなたが上司のボスになって、マネジメントのために観察するのです。
こうした発想を、ボスマネジメントと言います。その名のとおり、部下が自分の仕事がしやすいようにうまく上司をコントロールすること、
積極的に後押ししてくれるような状況を作り上げることです。
たとえ上司であっても、こちらからの働きかけによって行動を変えることができるのではないか、との考え方に基づいています。
従来の上司=指示を出す人、自分=指示を受ける人という固定化された考えを持っていた人には新鮮かもしれませんが、
このように「自分のものの見方(フレーミング)」を一新して、自分を変える、それによって周囲を変えると聞けば、
そのメリットが想像できるのではないでしょうか。
そもそも上司は、自分の絶対的な支配者ではありません。
将来「こうなりたい」と思う目標についてのコーチ役であったり、仕事の成果や部下の能力の評価者であり、
ときにはトラブルの処理役や謝罪役です。
気分よく、自分のために動いてくれるように上司を使う……と発想を転換し、嫌われない方法を考えてみたらどうでしょうか?
ちなみにボスマネジメントは、職場のダイバーシティの進む米国でいち早く発展しました。
米国では、上司が年下であったり、女性であったり、人種の異なる人であったりすることはよくあることですし、
また(これは国を問わず)「モンスター」と呼ばれる難物・変人・奇人の上司も多いのです。
そのため、部下の側が上司との人間関係をうまくマネジメントしてみる、そんな意識が早くから芽生えたと考えられます。
上司だって、人間。ときには感情的にもなれば、好き嫌いもあります。
それも自分がマネジメントする発想に立てば、寛容に受け入れることができるはずです。また、上司を褒めてみるのもいいでしょう。
これまでに上司を褒めたことがありますか? 上司からの注意やアドバイス、
ときには褒め言葉を受け取るだけでなく、よい信頼関係を築くためには、部下の側からも上司を褒めるのです。
ただ、「スーツの柄が素敵です」とビジュアルを褒めても、媚びやおべっかにしか聞こえないかもしれません。
そうではなくて、上司の本質的な強み、よいところを感謝の気持ちを込めて褒めましょう。例えば、
「懸案だった代理店との調整がうまくいきました。さすがの交渉力です」
「アドバイスで修正した部分を取引先に褒められました。ありがとうございます」
といった具合に、上司のビジネス上の強みを見つけて褒めるのです。これで、気分を害する上司はまずいません。
お互いの関係を円滑にしたら、次は上司を自分のために動かしましょう。
困ったこと、手間のかかることなど「だったら、自分がやっておこうか」と上司が率先してサポートしてくれる関係に持っていくのです。
大事なことは、上司にうまく頼ること。食品商社に勤務している管理職のDさんは教えてくれました。
「頼られるのは、信頼されてるってことですからうれしいものですよ。ただ、頼りすぎは問題ですけどね」
自分で主体的にやってみて、足りない部分を相談する姿勢を示してみましょう。
何もせずに相談すれば上司は「甘えるな」と言い出すかもしれません。
でも、頑張って壁にぶち当たっているのなら、上司は共感してくれ、救いの手を差し伸べてくれるでしょう。
こうなれば、お互いが心地よく仕事ができるようになります。もはや好き嫌いで頭を痛めることもなくなるはずです。
ちなみに、Dさんにもアドバイスさせていただき、ボスマネジメントの視点から、上司を褒めて気分を高める試みをしてもらいました。
「当初は気まずい感じもありましたが、今では打ち解けて仕事ができるようになってきました」とのこと。
とは言っても、再び、場の空気を読まない態度を取っては、元の木阿弥。そこだけは気をつけていただきたいものです。
如何にして自分の心身を守るかに焦点を当てる「消極的な」「受け身的な」対策になります。
しかし、アメリカでは既に「積極的な」「攻撃的な」対策としてのマネジメント理論が確立しています。
「ボスマネジメント」理論といいますが、詳しくは文献にあたっていただくこととして、
以下に分りやしい雑誌記事を見つけましたので、転用して紹介します。
感想としては、ここまで出来る部下ならば、ダメなボスと交代すればよいのになと思いました。
企業の経営者や上級管理層のマネジメント能力がないのならば別ですが、このような企業ならば
早晩、社会からフェードアウトされることでしょう。
上司をマネジメントすれば、職場は楽になる
東洋経済オンライン 4月1日(月)
「自分は、上司に嫌われているのではないだろうか? 」
と、気になっている人は多いのではないでしょうか。
「まさに私のことです」と手を挙げてくれたのは、金融機関に勤務しているDさん(26歳)。
2年以上、同じ職場で上司として関わるFさん(36歳)の態度が明らかに『嫌っている』ようにみえて仕方がない様子。
詳しくインタビューをしてみると……
・2人になると黙り込む
・あいさつをしても冷たい
・仕事の相談をしても適当な答えを返される
と、上司に嫌われていると思う理由を挙げてくれました。ただ、嫌われていると感じ始めたのは、つい最近のこと。
それまでは、問題なく仲良く話せる関係だと思っていたようです。
「何か嫌われることをしたのだろうか? 思いあたることがないので、困っています」
と、Dさんは考え込む毎日とのこと。Dさんの認識は過剰なのでしょうか?
実際にその上司、FさんにDさんに対する感情を聞いてみたところ、
「嫌いではないですが、厳しく接しようと、マネジメントスタイルを変えました」
と回答が返ってきました。つい最近までFさんがDさんと親しく接していたのは事実。
ただ、あまりになれなれしい態度や口の利き方をするので、距離を置こうとしていたようです。Fさんが言うには、
「例えば、何か聞きたいことがあるときに、ちょっといいですか?
と相手に話しかけるための断り、あいさつ的なクッション言葉を置きますよね? そうした気配りがまったくないのです」とのこと。
話しの前につけるクッション言葉は、さまざまな場所や場面で使われています。「恐れ入りますが」などがその代表的な例です。
相手に対して「お願い・依頼」「反論・反対意見」「拒否」する場合などに使われる言葉で、
直接伝えると嫌味や冷たい印象に見えるものを、やわらかくするための話し方・書き方のマナーです。
.社内では仰々しいへりくだりは不要ですが、上司も忙しく仕事しているわけで、話しかける前にちょっと一言欲しかったのです。
しかも、1回だけでなくつねにクッション言葉なしに入ってくるので、我慢も限界に達してしまった様子。
ほかにも仕事とかけ離れた話を業務時間中に長時間したがるなど、限度を超えていたので、
突き放す意味で冷たく接するようになったようです。
ある意味、嫌われていると感じていたDさんの認識は当たっていました。
本来なら上司としてFさんは教育的見地から「業務時間中の私語には限度がある」と注意すべきところでしょう。
ところが、うまく注意する方法が思いつかず、”冷たく接する”という手法を選んでしまったようです。
このままではDさんの心を大きく痛めてしまうことになるかもしれません。ところが
「傷つきやすい部下を抱えた経験から、注意することに躊躇をしてしまうのです」
とFさんも悩みを打ち明けてくれました。最近はキツイ言葉で注意すると「傷ついた! 」と
会社を休んでしまう部下が増えているようで、上司も注意しない、あるいはやさしい言葉でしか注意しない傾向が出てきています。
例えば、総合商社に勤務しているKさん(40歳)に聞いたところ、業務報告をよく忘れる部下に対して「ちゃんと、報告をしなさい」と
直球を投げることはせず、「1人で問題を抱えてはいけないぞ」と、
回りくどい言い回しをするとのこと。部下に対する心配りは大したものですが、果たして意図は伝わるのでしょうか?
■ 上司をマネジメントしよう
上司のほうも、いろいろ悩んでいるのです。
・報告すべきことを報告しない(特に悪い話)
・ネガティブな発言が多い
・あいさつができない、マナーが悪い
など、本来は日常的に指導すべきことをしっかり注意できないで、自分の内にストレスをためて、
ついには部下を嫌いになってしまったりするのです。
もし、あなたが急に上司から嫌われてしまったと感じたら、自分の態度・言動でストレスを感じさせた部分が、あるかもしれません。
しかし、上司に嫌われた状態で仕事をするのは、気持ち的にも滅入るものがあります。
中には「そう言われても、自分は変えられない。嫌われることには慣れています」と主張する頑固者もいます。
が、大抵の人は、上司と対立するのはやはりつらいことでしょう。では、いったいどのようにしたらよいのでしょうか?
Niftyの何でも調査団によるアンケート「こんな部下は嫌だ! ランキング」によると、1位は言い訳ばかりする、2位は責任感がない、
以下、遅刻が多い、やる気が感じられない……と並んでいます。上司が嫌う部下の特徴はある程度、踏まえておくことはできるはずです。
それに加えて、重要なことは上司を詳しく観察するのです。「上司を観察してどうするの」と感じるかもしれません。
でも、ここは発想を転換しましょう。あなたが上司のボスになって、マネジメントのために観察するのです。
こうした発想を、ボスマネジメントと言います。その名のとおり、部下が自分の仕事がしやすいようにうまく上司をコントロールすること、
積極的に後押ししてくれるような状況を作り上げることです。
たとえ上司であっても、こちらからの働きかけによって行動を変えることができるのではないか、との考え方に基づいています。
従来の上司=指示を出す人、自分=指示を受ける人という固定化された考えを持っていた人には新鮮かもしれませんが、
このように「自分のものの見方(フレーミング)」を一新して、自分を変える、それによって周囲を変えると聞けば、
そのメリットが想像できるのではないでしょうか。
そもそも上司は、自分の絶対的な支配者ではありません。
将来「こうなりたい」と思う目標についてのコーチ役であったり、仕事の成果や部下の能力の評価者であり、
ときにはトラブルの処理役や謝罪役です。
気分よく、自分のために動いてくれるように上司を使う……と発想を転換し、嫌われない方法を考えてみたらどうでしょうか?
ちなみにボスマネジメントは、職場のダイバーシティの進む米国でいち早く発展しました。
米国では、上司が年下であったり、女性であったり、人種の異なる人であったりすることはよくあることですし、
また(これは国を問わず)「モンスター」と呼ばれる難物・変人・奇人の上司も多いのです。
そのため、部下の側が上司との人間関係をうまくマネジメントしてみる、そんな意識が早くから芽生えたと考えられます。
上司だって、人間。ときには感情的にもなれば、好き嫌いもあります。
それも自分がマネジメントする発想に立てば、寛容に受け入れることができるはずです。また、上司を褒めてみるのもいいでしょう。
これまでに上司を褒めたことがありますか? 上司からの注意やアドバイス、
ときには褒め言葉を受け取るだけでなく、よい信頼関係を築くためには、部下の側からも上司を褒めるのです。
ただ、「スーツの柄が素敵です」とビジュアルを褒めても、媚びやおべっかにしか聞こえないかもしれません。
そうではなくて、上司の本質的な強み、よいところを感謝の気持ちを込めて褒めましょう。例えば、
「懸案だった代理店との調整がうまくいきました。さすがの交渉力です」
「アドバイスで修正した部分を取引先に褒められました。ありがとうございます」
といった具合に、上司のビジネス上の強みを見つけて褒めるのです。これで、気分を害する上司はまずいません。
お互いの関係を円滑にしたら、次は上司を自分のために動かしましょう。
困ったこと、手間のかかることなど「だったら、自分がやっておこうか」と上司が率先してサポートしてくれる関係に持っていくのです。
大事なことは、上司にうまく頼ること。食品商社に勤務している管理職のDさんは教えてくれました。
「頼られるのは、信頼されてるってことですからうれしいものですよ。ただ、頼りすぎは問題ですけどね」
自分で主体的にやってみて、足りない部分を相談する姿勢を示してみましょう。
何もせずに相談すれば上司は「甘えるな」と言い出すかもしれません。
でも、頑張って壁にぶち当たっているのなら、上司は共感してくれ、救いの手を差し伸べてくれるでしょう。
こうなれば、お互いが心地よく仕事ができるようになります。もはや好き嫌いで頭を痛めることもなくなるはずです。
ちなみに、Dさんにもアドバイスさせていただき、ボスマネジメントの視点から、上司を褒めて気分を高める試みをしてもらいました。
「当初は気まずい感じもありましたが、今では打ち解けて仕事ができるようになってきました」とのこと。
とは言っても、再び、場の空気を読まない態度を取っては、元の木阿弥。そこだけは気をつけていただきたいものです。