中小企業の「うつ病」対策ー人、資金、時間、情報に余裕がない

企業の労働安全衛生、特にメンタルヘルス問題に取り組んでいます。
拙著「中小企業のうつ病対策」をお読みください。

新年度に思うこと

2013年04月02日 | 情報
毎年、4月になると新入社員が入社してきます。今頃は集合研修中ではないでしょうか。
5月の連休を過ぎると、各配属先に分けられ、新人は満を持してのスタートを切ることでしょう。
最初は、企業活動に何の役も果たせない状況ですが、それが、1年たち、2年たち、ようやく3年目くらいになって
1人前、すなわちようやく企業に貢献できる人材に成長していくわけです。

私事で恐縮ですが、1人前になったなと自覚したのは、入社20年目くらいでしょうか。
それほど企業に貢献できる人材を育成するのは、時間と費用と忍耐が必要になります。
それなのに、10年目、20年目の働き盛りの貴重な人材を、精神疾患などで簡単に失っていいものでしょうか。

慶応義塾長の清家篤氏は、3月24日の読売新聞紙上で、「人材を買えばいいとの風潮が蔓延すれば、
企業は自社で育てるのは損と考え、付加価値の高いモノやサービスの生産に貢献できる人材を育てる環境が失われてしまう。
人の育成こそが活力向上のカギを握ることを忘れてはならない。」と述べていらっしゃいます。

新人は、明日の御社を背負う人材予備軍です。このことは大企業、中小企業に関係ありません。
人材の育成を疎かにすれば、いま繁栄を誇っている大企業でも、明日の発展・繁栄は保証できません。
企業という「神輿」は、10人の企業ならば、2人が担いで、2人がぶら下がって、6人が何もしないでいる、と言われています。
この「担いでいる」真面目な人材が精神疾患になりやすいのです。担ぎ手が1人減ったら、企業はどうなりますか?
ですから、MH対策は企業経営そのもの、と言われる所以なのです。
コメント
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