中小企業の「うつ病」対策ー人、資金、時間、情報に余裕がない

企業の労働安全衛生、特にメンタルヘルス問題に取り組んでいます。
拙著「中小企業のうつ病対策」をお読みください。

胆管がん続出の印刷会社、強制捜査へ

2013年04月03日 | 情報
産業医を委嘱していなかった、衛生管理者や作業主任者を配置していなかった。
今になって思うのは簡単なことですが、法令順守することが如何に大切なことか、
法令順守しないと以下に大きなツケがまっわて来ることか。
企業は、意外と労働安全衛生法を軽視する傾向があります。
安衛法違反には、罰則規定(115条の2~123条)がありますが、適用された事案が少ないからなのでしょう。
しかし、労基署は、「所」ではなく「署」ですから、労働事件の「捜査権」を持っているのです。

胆管がん続出の印刷会社、強制捜査へ…厚労省
(2013年4月2日 読売新聞)
全国の印刷会社の従業員らが胆管がんを相次いで発症している問題で、
発症者が集中している大阪市の印刷会社「SANYO―CYP」について、
元従業員らの安全確保に重大な落ち度があった疑いが強まったとして、
厚生労働省は労働安全衛生法違反容疑で強制捜査に乗り出す方針を固めた。
2日にも関係先の捜索などを行い、違反が裏付けられれば、同法違反容疑で法人としての同社と同社社長を送検する方針。
同省幹部によると、同社は1991年4月に現在の社屋に移転後の一時期、
印刷機に化学物質「1、2―ジクロロプロパン」などを含んだ洗浄液を使っていたが、
同法が求める従業員の健康管理のための産業医を置いていない時期があったほか、
労災を防ぐための作業主任者の選任を怠った時期があった疑いがあるという。
これまで同社の元従業員ら17人が労災申請し、同省は先月、このうち16人について認定した。
ジクロロプロパンは主に呼吸を通じて体内に入り、量が多いと胆管の酵素で処理する過程で細胞の遺伝子が傷つき、
長期間続くとがんを発症するとされている。同社では少なくとも元従業員ら17人が胆管がんを発症し、うち8人が死亡。
ジクロロプロパンなどによる胆管がんの発症は研究報告事例が少ないが、
同省は、従業員らが相次いで胆管がんを発症しているのに、同社が見逃した点を重視。
厚労省が所管する労働基準監督署は労働事件で捜査権を持っており、
同社が産業医を選任していれば、早く対策を打てた可能性もあったと判断したという。

胆管がん、8人死亡の印刷会社を強制捜査 大阪労働局

朝日新聞 4月2日(火)

大阪労働局は2日午前、従業員ら17人が胆管がんを発症しうち8人が死亡した大阪市の印刷会社
「SANYO(サンヨー)―CYP(シーワィピー)」について、
労働安全衛生法違反(事業者の安全衛生措置義務違反など)の疑いで家宅捜索を始めた。
午前9時10分すぎ、大阪市中央区にある山村悳唯(とくゆき)社長(66)の自宅兼本社ビルに大阪労働局の職員4人が入った。
今後、押収書類の分析と関係者の聴取を進め、会社側が従業員の健康や安全を守るための措置をどう怠り、
被害が拡大したのか解明を進めるとみられる。
厚生労働省は昨年5~6月、労働安全衛生法で定める事業主の義務を果たしていないとして同社に是正勧告をした。
違反とされたのは、(1)定期健康診断結果の報告をしていない(2)衛生管理者や産業医、安全管理者を置いていない
(3)衛生委員会もなく、作業リーダーの「職長教育」もしていない――など。
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